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そばどころ ちょうじゅあんそば処 長寿庵

Interview No.3

本物の「味と技」 無添加にこだわる 人情味豊かな そば処

取材日:2015年11月25日

会社概要

昭和43年の創業以来、日本蕎麦・うどん・定食を提供し続ける老舗。昼夕問わず気軽に入れるアットホームな食事処であり江戸川区産の小松菜を使用した「小松菜蕎麦・うどん」が一押し看板メニューとなっている。近隣地域への出前のほか区内朝市での直売や催事への出店、インターネット通販、小松菜商品取り扱い販売所への商品提供も行う。雑誌・メディア出演など、幅広く展開している。

社長さん紹介

店主 富井 茂和

 蕎麦職人としてこの道一筋37年。都内最大勢力と呼ばれる「長寿庵」から分けたのれんを守り続けている2代目。定番メニューはもちろんのこと江戸川区産の小松菜を使った蕎麦・うどんの開発に携わり、ご自身が広告塔として各メディアにも多数出演されています。「江戸川区名産の小松菜を使っているお店ということで、お客さまから区の歴史を聞かれることも多くて。ちゃんとお答えしたいから情報収集にも余念がないよ」とサービス精神旺盛で博学、かつユーモア溢れる社長さん。そば処 長寿庵の人気は、商品を口にするお客さまを想う社長さんの姿勢と熱意がその味に反映されているからこそだと、お話していて感じました。

- インタビュー memo -

ご夫婦でお店を切り盛りされていて息はピッタリ「お休みに鎌倉のお寺へ行ったら道に迷ってしまって、ずっと歩き通しで大変だったよね」と笑顔で仲良くお話して下さいました。

看板商品である「小松菜蕎麦・うどん」についてお聞かせ下さい。
小松菜 写真

 添加物を一切含まず、小松菜・(蕎麦粉)・小麦粉・(塩)・水のみを使用しているため、離乳食としても安心。当店の人気商品です。
 開発のきっかけはJA江戸川青年部の有志が集まり「江戸川の小松菜」で地域おこしができればと思案したことからでした。現在の製法にたどり着くまで、とても苦労しました。何度も研究を重ね試行錯誤した結果、当初10%だった小松菜の含有率を20%まで高めることに成功しました。この数値は小松菜を含有できるギリギリの量で、野菜が苦手な方でもあまり気にならず食べて頂ける味に仕上がっています。ただ、実はとても手間のかかる製法なので量産ができず、利益だけを考えたら販売には向かないのが正直な所です。それでも江戸川区で店を構えているので、何かの形で貢献したい!その一心で続けて来たと思います。

そば処 長寿庵ならではの「味」を教えて下さい。
蕎麦つゆ 写真

 “蕎麦はつゆに3分の1だけ付けてかまずに飲み込むのが作法”と一般的に言われていますが、それは鮮度の高い食材を長期保存できない時代に、塩分が多い状態で提供していたためです。当店のつゆは、食事後そのまま飲み干して頂けるよう「かえし」の砂糖を控えめにし、さっぱりと甘くない味付けを心がけています。
 さらに、仕込み時に麺をローラーにかける作業は他店の3倍行っていますので、生地が整った綺麗な麺肌が自慢です。小松菜が練り込まれていても、つるつるとした食感をお楽しみいただけます。

仕込み 写真

 また、「小松菜うどん(催事用)※生麺タイプ」は持ち帰り用の容器にお入れしています。ご家庭で扱いやすい硬さになるよう工夫しました。こちらは生麺のため、多くのご用意ができないことから、せっかく足を運んで下さった方へせめてもと開発したのが「小松菜蕎麦(乾麺タイプ)」です。こちらは日持ちがして更に気軽に扱って頂ける商品で、インターネット販売にも対応しております。沢山の方に長寿庵の「味」を届けていきたいですね。

- インタビュー memo -

「小松菜蕎麦だからと“小松菜そのもの”を具として入れるのは、うちではしないです。手間暇かけて小松菜を練りこんだ蕎麦の味をしっかり堪能して欲しいので」と語る眼差しに職人魂を感じました。

小松菜蕎麦ができるまで
先代から受け継いだモノや技を教えて下さい。
お品書き 写真
お献立 写真

 大きなお品書きは創業当初からのものです。現在はこの文字を書ける職人さんがいなくなってしまったため、金額の記載がない状態ですが、47年間ずっと大切に使用しています。

 長寿庵の歴史は江戸川の街の発展と共にありました。お店の前通りに商店街を作ろうという話が持ち上がった際、長野県で蕎麦職人の経験がある父に「蕎麦屋やってみない?」と地主さんが声をかけて下さったのがきっかけです。当時小学校5年生だった私に「蕎麦屋始めたら継いでくれる?そうじゃなきゃやらないけど」と聞かれ「蕎麦屋になるよ!」と2つ返事したのを今でも覚えています。今でも父が言っていた“一口食べたときに「うまい!」って言わせたら勝ち”との言葉を日々意識しています。

 “お出汁の味とか、麺の茹で具合とか、部分的に褒められる様じゃまだまだだ。全部が一つとなって「美味しい!」に繋がるはずだ”と教えられました。先代からの技と想いに、私なりのアレンジも更に重ねていきたいですね。

従業員 写真   従業員 写真
- インタビュー memo -

卓上メニューは社長さんがパソコンで画像編集ソフトを駆使し制作されているとのこと。「新商品にもすぐ対応できる所はやはり便利ですし、もっと活用していきたいんですよね。独学なので苦労していますが」と苦笑いされるお姿も。

新メニューの開発時に心がけていることはありますか?
蕎麦 写真

 全く新しい商品そのものを考えることも大事ですが、PR方法やトッピング等の工夫も重要だと考えています。
 例えば、今は店の定番になりつつある“年越し蕎麦”は、大手スーパーやコンビニエンスストアのPR方法を参考に、本来は蕎麦屋のメニューにはなかった“年越し蕎麦”をトッピング等の工夫で一つの商品としたものです。
 トッピングには“長寿の象徴”【えび】・“無事に一年乗り切った”【刻みのり】・“金運向上を願う”【金粉】・“来年の見通しが良くなるように”【レンコン】など、それぞれに意味を込めた素材を使用しています。さらに、使い捨て容器を使用し、手軽にテイクアウトして頂ける工夫もしました。

年越しうどん 写真

 また、2・3年前から「年明けうどん」もメニューに加えました。年末年始にかけて、皆さん結構胃が疲れてくるんじゃないかと、いつもより柔らかく煮たうどんの上に、整腸作用が高いとされる「梅干し」と、さっぱり味の「大根おろし」を縁起の良い紅白に見立ててトッピングしています。

商品紹介
小松菜うどん・太(税込600円)
小松菜うどん・太(税込600円) 写真
 江戸川区産小松菜の含有量20%のうどん(「細」もあり)美しい翡翠色の麺は透明感があり小松菜の繊維も良く見える。つるつるモチモチの食感。さっぱり甘くないおつゆで食べ進めると「ふわっ」と小松菜の香りを感じ最後まで箸がとまらない美味しさ。麺本来の食感と味が楽しめる。
ぽんぽこセット(税込1,000円)
ぽんぽこセット(税込1,000円) 写真
 食べるとお腹が“ぽんぽこりん”になることから名付けたれた一番人気メニュー。たぬき(蕎麦・うどん、温・冷の選択可)とかつ丼のセット。細めの蕎麦で、揚げ玉の入ったおつゆと良く絡む。かつ丼のかつは厚くて絶妙な柔らかさ。お肉と卵の優しい味が一緒に楽しめる、ボリューム満点の一品。
小松菜たぬきうどん・太(税込700円)
小松菜たぬきうどん・太(税込700円) 写真
 小松菜うどん(「細」もあり)をたぬきスタイルで楽しめる一品。揚げ玉の他に長ネギやナルトもトッピングされ、麺との食感も面白い。温かい麺でも翡翠色の美しい色はそのままに、最後まで伸びることなく、おつゆも全て飲み干してしまいたくなる美味しさ。
社内の様子
  • 小松菜蕎麦 製造 写真
    「手元見えるかな?角度はどう?」と翌日に控えた催事用の“小松菜蕎麦”を製造しながら、終始インタビューへ配慮して下さった社長さん。お話して下さる時の笑顔と、仕込みをされる真剣なお顔とのギャップにプロの心意気を感じました。
  • 調理と配膳を担当
    調理と配膳を主に担当されている奥様。「小さいお店なので明確に分業している訳じゃないから、毎日ピョンピョン飛び回って仕事してる感じかしら」と、癒しの笑顔を見せて下さいました。淹れたての温かい「蕎麦茶」は絶品でした。
  • 用途に応じて4種類の水を使い分ける社長
    用途に応じて4種類の水を使い分ける社長さん。塩や小麦粉についても試行錯誤し今に至るとのこと。「ただ髙い物を使えばいいって訳じゃない。それぞれに合ったやり方や工夫が大切なんですよね」とこだわりについても沢山お話して下さいました。
今後の展開についてお聞かせ下さい。
そば処 長寿庵 写真

 自分が想う「こだわり」が何なのかを明確にし、うまくPRしていくことが大切だと考えています。例えば蕎麦屋の麺は「製麺所」から仕入れていると思われがちですが、私が知っている限り99%が自家製麺です。手作りで無添加、安心で美味しいものをご提供できますし、蕎麦業界ではそれが当たり前すぎるスタンダードなのです。
 当店では、インターネット上での情報発信や「小松菜スタンプラリー」への登録などを積極的に取り入れ、新規のお客さまが来店するきっかけ作りを行っています。また、メニューに栄養成分表を載せることで、塩分を控えたい方や、カロリーを気にされる方にも気軽にお越しいただける工夫をしています。今後もこうした取り組みを続けながら、お客さまからいただく小松菜に関する質問などにも今まで同様楽しくお伝えしていきたいと思います。
 そして先代から受け継いだ技と味を守り、お客さまからの「こだわってますね!長寿庵さん!」の声に、なおいっそう精進していきたいです。

そば処 長寿庵の皆さま
「えどがわ産業ナビ」インタビューにご協力頂き、本当にありがとうございました。

インフォメーション

外観写真
所在地
東京都江戸川区江戸川西一之江3-29-5 Google MAP
電話番号
03-3654-6739
営業時間
11:00~15:00
17:00~20:00
定休日
木曜日
ホームページ
http://choujyuan.com/choujyuan/

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