東栄特殊鋼材株式会社様

江戸川区大杉に工場を構え、鋼材の卸売・切断加工を行い今年で65年を迎える東栄特殊鋼材株式会社の原社長および竹下様に、えどがわ産業ナビを活用しての感想や要望など、お話を伺った。

取材日：2025年3月7日

会社概要

昭和35年3月に特殊鋼流通業者だった私の父が創業し、平成17年に私が代表となりました。特殊鋼を中心に非鉄、一般鋼材など多種多様な鋼種を取り扱っており、鋼材の卸・小売、切断加工を行っています。
関東の同業者が取り扱っていない鋼材も取り揃え、大手鉄鋼商社や同業者からの発注も多く頂いております。

2代目社長原照一郎様写真 — 2代目社長の原照一郎様。創業者である父は「自分の働きが少しでも世のため人のためになるように」と、事業で得た利益の寄付や福祉支援活動を行っており、原社長もその思いを大切にしている姿が印象的だった。

鋼材加工に関しては食品機械メーカー様からのご要望に応えるため、挑戦したことがきっかけでした。材料調達など紆余曲折ありながらも無事ご要望にお応えすることができ、その時に得たノウハウを応用しつつ色々なお客様へ困りごとのヒアリングを行い、必要な材料を揃え解決に向け挑戦し…といった形で現在の事業内容となりました。
私の長男が機械製造業に勤めていましたので、その時の人脈も生かし以前にも増してより多くの鋼種を取り揃えております。

特殊な薄板写真 — 関東では東栄特殊鋼材にしかないという特殊な薄板。倉庫内にはサイズ・材質別で様々な鋼材が保管されている。

産業ナビ登録の経緯・きっかけ

15年ほど前に登録いたしました。その頃はホームページを所有している中小企業は今ほど多くなく、インターネット上で検索しても精度の高い情報に辿り着けない、といったことが少なくありませんでした。区内でまだ発見できていないお客様を獲得するにはどうすればいいか考えていたところ、取引先や仕入先がえどがわ産業ナビに登録しているという話を耳にしました。
実際に閲覧したところ、取引先だけでなく知り合いの事業所や職人さんも登録しておりましたので、我が社も登録してみよう、と考えたのがきっかけです。

竹下様写真 — えどがわ産業ナビの更新を担当されている竹下様。
主に事務関連の業務を行っており、原社長とともに今回の取材を対応いただいた。

産業ナビの活用について

主にニュースの更新を行っています。登録事業者のログイン画面からログインすると、直近数ヶ月のアクセス数および全事業所中何位かを示すランキングが確認できます。ニュース投稿など更新頻度の多い月は顕著にアクセス数が増加するので、「私たちの事業所を見てくれる人がいる」というモチベーションにつながります。
お取引のきっかけになるために更新を行ってはいますが、えどがわ産業ナビを通じて私たちの会社の存在を区内外の方に知ってもらうだけでなく、他の中小企業のことも知ることができるので、私たちがえどがわ産業ナビを活用することで江戸川区の産業全体の活性化に貢献できれば良いなと思っています。

産業ナビの効果、登録・利用しての感想

自社ホームページがあるものの、そちらには「弊社製品・サービスを導入しませんか？」といった営業の連絡が多く、お問い合わせをする方からしても安心感が持てないなど、課題やハードルがあります。
ですが、えどがわ産業ナビには各所に『江戸川区公式』の文言が記載されているので、問い合わせをする側に安心感を与え、問い合わせをすること自体の心理的なハードルを下げられると思います。
実際にご連絡いただいた方から、えどがわ産業ナビに掲載している情報と、弊社ホームページの両方をあわせて確認いただくことで連絡が取りやすくなったという話をお聞きしたことがあります。登録・掲載費用もかからないので、私も知り合いの事業者にえどがわ産業ナビの紹介と登録を勧めています。

また、えどがわ産業ナビに登録してから、高校や大学といった教育機関、大手機械メーカー様など今まで知り合えなかったようなお客様からご相談をいただき、お取引ができるようになりました。他にも、弊社は個人の方への小売も行っており、近隣の区の方が徒歩でお越しになったり、逆に北海道の方が実際にお越しになって購入していったり、ということもありました。先ほどお話しした、えどがわ産業ナビ活用による効果が目に見えて出てきていると感じています。

今後の展望について

かつて江戸川区には多くの工場があり、会社の近くで徒歩圏内でも10社ほどお客様がおりました。近年は大田区や三郷市、市川市など区外のお客様が多くなっており、再び区内でお客様獲得に向け、えどがわ産業ナビの活用だけでなくチラシ配布などオフラインでの広報活動も行っています。
昨今の仕入れ価格高騰については、利益の調整など工夫をしていく必要があると思っていますが、気持ちだけは負けないよう頑張っていきたいです。
えどがわ産業ナビの方で言うと、私たちの業種上、飲食店や一般消費者向けのサービス業の方と違い、ニュース記事の内容が毎回同じようなものになることが多いので、投稿する内容も工夫していく必要があると感じています。

産業ナビの機能・管理への要望、それに関連した区役所への要望

特別な機能を導入するよりは『江戸川区の情報を何でも探せるサイト』という方向にしていくと良いと思っています。特に、江戸川区のホームページに掲載されている補助金などの情報を、えどがわ産業ナビでまとめて閲覧できるようになってほしいと思っています。ものづくり補助金を活用しておりますが、そちらのホームページは動画付きで分かりやすく解説や説明が記載されていましたので、それに近い形になっていると良いなと思います。

補助金を活用して導入したカッティングバンドソー写真 — 従来の機械よりも1/3の時間で切断が可能になった新しいカッティングバンドソー

また、企業の信用調査会社の情報では廃業となっている事業所がまだ掲載されていました。その逆に、一見すると個人の住宅でも金属の加工といった事業を行っていることもあるので、一概には言えませんが登録情報の正確性を高めていく必要があると思います。

区役所への要望としましては、開催しているセミナーの内容をいつ、どこででも閲覧できるようになるとありがたいなと思っています。区が勉強会や講座を多く開催されていることは認知しているものの、私たちのような零細企業は普段の業務もある中で日程や人員の都合上参加が難しいため、時と場所を選ばず閲覧できるようになるとありがたいなと思っています。
今では少なくなってきましたが、5メートルに及ぶ溶接作業を寸分の狂いなく行える溶接職人さんや、自らの手でマシニングセンタ並みの精度の部品を作れる職人さんなど、貴重な技術を多く持つ会社や職人さんがまだまだ存在します。風鈴や竹細工といった工芸品の広報に加えて、そのような熟練の技を持つ方々にもスポットを当てていただき、江戸川区の産業の活性化をしていってほしいとも思っています。

東栄特殊鋼材株式会社の皆様、この度はお忙しいところ取材ご対応いただき、貴重なお話・ご意見を頂戴しまして誠にありがとうございました。
今後もサイト閲覧者や登録事業所の皆様が活用しやすいサイト作りに努めてまいります。
これからも、えどがわ産業ナビをどうぞよろしくお願いいたします。