ヘッドギアの役割とは?出っ歯治療に用いる矯正装置を解説
最終更新日:2026年03月11日
医療法人社団スマイル会 ふかさわ歯科クリニック篠崎
(篠崎町7丁目)
ヘッドギアとは|基本構造と使用目的
ヘッドギアとは、頭部や頸部に固定することで歯や顎骨に一定方向の力を加え、歯列や顎の成長をコントロールする矯正装置です。主に歯科矯正治療において使用され、上顎骨の成長抑制や大臼歯の遠心移動、歯列の固定源の確保などを目的とします。
一般的に「ヘッドギア」という言葉は、スポーツ用の頭部保護具や医療用プロテクターを指す場合もありますが、歯科矯正領域では顎骨や歯の位置を制御するための装置を意味します。
特に成長期の患者においては、骨格の発育をコントロールすることで、抜歯を伴わない矯正治療を可能にする重要な補助装置となります。
ヘッドギアの種類(矯正用・スポーツ用・医療用)
ヘッドギアは用途により大きく三つに分類されます。
矯正用ヘッドギア
歯科矯正で用いられる装置で、主に上顎骨の成長抑制や上顎大臼歯の遠心移動を目的とします。上顎前突(出っ歯)の改善や非抜歯矯正を行う際に使用されることが多い装置です。
スポーツ用ヘッドギア
ボクシングやラグビー、レスリングなどの競技で頭部や顔面を衝撃から保護するための防具です。衝撃吸収性や安全性が重視され、競技ごとに形状が異なります。
医療用ヘッドギア
外傷後の頭部保護や固定、発作時の安全確保などを目的として使用される医療機器です。安定性や安全性が重視された構造となっています。
それぞれ目的や素材、構造が大きく異なるため、使用目的に応じて適切なものを選択する必要があります。
矯正用ヘッドギアの構造と作用機序
矯正用ヘッドギアは主に以下の要素で構成されています。
フェイスボウ(Facebow)
口腔内に挿入されるインナーボウと、口腔外に位置するアウターボウからなる金属ワイヤーで構成されます。インナーボウは上顎大臼歯に装着されたチューブに挿入され、アウターボウに加わる牽引力が大臼歯に伝達されます。
ストラップ(ヘッドキャップまたはネックストラップ)
頭部または頸部に固定する部分で、フェイスボウに後方牽引力を与える役割を担います。
エラスティックバンド
ゴムの張力を利用して牽引力の強さや方向を調整します。
これらの構造により、歯列や顎骨に対して持続的かつ方向性を持った力を与えることができます。
年齢による使用目的の違い
ヘッドギアの使用目的は年齢によって異なります。
成長期の患者
成長期では顎骨の発育が活発であるため、上顎骨の成長抑制や咬合関係の改善を目的として使用されます。骨格レベルでの調整が可能なため、非抜歯矯正や将来的な外科的矯正の回避につながることがあります。
成人患者
成人では骨格の成長が終了しているため、主に歯の移動時の固定源(アンカレッジ)として利用されます。大臼歯の前方移動を防ぐ目的で、ワイヤー矯正と併用されることが多く、装着時間は主に就寝時など自宅での使用が中心となります。
矯正治療におけるヘッドギアの役割
上顎前突の非抜歯矯正
上顎前突の治療では、前歯を後方へ移動させるためのスペース確保が必要となります。ヘッドギアにより上顎大臼歯を遠心移動させることで歯列内にスペースを作り、抜歯を回避できる可能性があります。
また、上顎骨の前方成長を抑制することで、骨格的な要因にもアプローチすることが可能です。
成長期における骨格成長のコントロール
成長期に使用することで、上顎骨の過度な成長を抑制し、下顎の自然な前方成長を促すことができます。これにより咬合関係の改善だけでなく、顔貌バランスの改善にも寄与します。
大臼歯の遠心移動
矯正治療では歯列内のスペース確保が重要となります。ヘッドギアは上顎大臼歯を後方へ移動させることで歯列スペースを確保し、前歯の配列改善や咬合調整を容易にします。
また、前歯を後方へ移動する際の固定源としても重要な役割を果たします。
ヘッドギアの主なタイプ
サービカルヘッドギア(首掛け型)
ネックストラップを頸部に装着し、水平方向の牽引力を加えるタイプです。上顎大臼歯の遠心移動に適しており、比較的噛み込む力の強い症例に使用されます。ただし大臼歯の挺出傾向が生じる可能性があります。
ハイプルヘッドギア(頭掛け型)
頭部のヘッドキャップにより斜め上方向から牽引力を加えるタイプです。上顎大臼歯の挺出を抑制しながら上顎骨の成長抑制を図ることができ、開咬傾向や顔面高が高い症例に適応されます。
コンビネーションタイプ
サービカル型とハイプル型を組み合わせた装置で、力の方向を細かく調整することができます。症例に応じて複合的な骨格コントロールを行う場合に使用されます。
他の矯正装置との併用
マルチブラケット装置との併用
ワイヤー矯正では歯を個別に移動させることが可能ですが、固定源が不足すると大臼歯が前方へ移動してしまうことがあります。ヘッドギアを併用することで固定源を強化し、前歯の後方移動を効率的に行うことができます。
機能的矯正装置との併用
バイオネーターなどの機能的矯正装置と併用することで、上顎の成長抑制と下顎の前方誘導を同時に行うことができ、骨格性上顎前突の改善に効果的です。
装着時間と使用のポイント
ヘッドギアの効果を得るためには、1日12〜14時間程度の装着が必要とされます。多くの場合、就寝時と帰宅後の時間帯を中心に使用します。
装着初期には軽度の違和感や歯の圧痛を感じることがありますが、通常は数日で軽減します。強い痛みや装置の不適合が疑われる場合には、歯科医師による調整が必要となります。
ヘッドギアが現在も使用される理由
ヘッドギアは古くから使用されている装置ですが、現在でも矯正治療において重要な役割を担っています。特に骨格の成長をコントロールできる数少ない装置であり、非抜歯矯正や成長期の骨格矯正において有効な治療手段です。
近年ではアンカースクリューなどの新しい固定源も普及していますが、骨格成長への影響という点ではヘッドギアが有利となる症例も多く、現在でも矯正治療の重要な選択肢の一つとされています。
基本情報
- 事業所名
- 医療法人社団スマイル会 ふかさわ歯科クリニック篠崎
- ふりがな
- いりょうほうじんしゃだんすまいるかい ふかさわしかくりにっくしのざき
- 代表者名
- 深沢 一
- ふりがな
- ふかさわ はじめ
- 営業時間
-
(月~金)9:00 〜 13:00 14:30 〜 19:30
(土)8:00 〜 13:00 14:00 〜 18:00
(日)8:00 〜 13:00 14:00 〜 17:30 - 定休日
- 第三金曜日の午前中は院内研修のため休診です。
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- Webサイト
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