麻酔をしたのに何で痛いの?下顎の奥歯で痛みを感じやすい
最終更新日:2026年07月25日
医療法人社団スマイル会 ふかさわ歯科クリニック篠崎
(篠崎町7丁目)
なぜ麻酔が効きにくいの?下顎の奥歯で痛みを感じやすい医学的な理由
歯槽骨の構造(皮質骨と海綿骨)
歯を支える歯槽骨は、大きく**皮質骨(cortical bone)と海綿骨(cancellous bone)**の2種類の骨から構成されています。
- 皮質骨:歯槽骨の外側を覆う緻密で硬い骨。麻酔薬が骨内へ浸透しにくい特徴があります。
- 海綿骨:皮質骨の内側にある多孔質の骨。血流が豊富で、麻酔薬が内部へ拡散しやすい構造です。
浸潤麻酔は、注入した麻酔薬が皮質骨を通過して海綿骨へ広がり、最終的に歯髄へ分布することで十分な効果を発揮します。そのため、骨の構造は麻酔の効きやすさに大きく影響します。
上顎と下顎で麻酔の効きやすさが異なる理由
上顎
上顎の歯槽骨は皮質骨が比較的薄く、海綿骨が豊富です。
そのため麻酔薬が骨内へ浸透しやすく、通常の浸潤麻酔でも十分な効果が得られることが多くあります。
下顎(特に大臼歯部)
一方、下顎の奥歯では状況が異なります。
- 皮質骨が非常に厚く緻密である
- 骨内の微細な骨孔が少ない
- 麻酔薬が骨内へ拡散しにくい
このような解剖学的特徴があるため、**下顎第一大臼歯・第二大臼歯・親知らず(智歯)**は、浸潤麻酔だけでは十分な麻酔効果が得られにくい部位として知られています。
下顎の奥歯で麻酔が効きにくい主な理由
① 皮質骨が厚く硬い
厚い皮質骨は麻酔薬の浸透を妨げるため、薬液が海綿骨や歯髄まで十分に到達しないことがあります。
② 骨孔が少ない
皮質骨には薬液が通過する微細な骨孔がありますが、下顎臼歯部ではその数が少ないため、麻酔薬の拡散経路が制限されます。
③ 神経まで十分な麻酔が届かない
歯の痛みを確実に抑えるためには、歯根の先から歯髄へ入る神経線維まで麻酔薬が十分に作用する必要があります。
しかし、下顎臼歯部では麻酔薬が神経周囲まで届きにくく、治療中に痛みを感じる原因となることがあります。
治療内容によって痛みの感じ方は異なる
麻酔の効き具合だけでなく、治療内容によって必要な麻酔の深さも異なります。
- 抜歯:主に歯根膜や周囲組織への麻酔で対応できるため、比較的痛みを抑えやすい処置です。
- 歯を削る治療:虫歯の深さや歯髄への近接度によって痛みの感じ方が変わります。
- 抜髄(神経を取る治療):歯髄内部まで十分に麻酔が作用する必要があり、最も高い麻酔効果が求められる治療です。
炎症があると麻酔が効きにくくなる理由
歯周病の急性発作(P急発)
歯ぐきが大きく腫れている部位では、炎症によって組織のpHが低下し、酸性環境になります。
局所麻酔薬は酸性環境では神経内へ移行しにくくなるため、通常よりも麻酔効果が低下することが知られています。
根尖性歯周炎
歯の根の先に感染が起こり、炎症や膿がたまった状態でも同様です。
炎症による酸性化の影響で、
- 麻酔が効きにくい
- 麻酔注射そのものが痛みやすい
といった特徴があります。
麻酔が十分に効かない場合の歯科医院での対応
段階的浸潤麻酔
炎症の強い部位への注射を避け、健常な組織から少しずつ麻酔を広げていく方法です。
麻酔効果を高めながら、注射時の痛みを軽減する目的があります。
歯根膜麻酔(PDL麻酔)
歯根膜腔へ直接麻酔薬を注入する補助麻酔です。
特徴は、
- 即効性がある
- 麻酔範囲を必要最小限にできる
- 浸潤麻酔だけでは不十分な場合の追加麻酔として有効
近年では、電動麻酔器や極細針を用いることで、注射時の負担にも配慮されています。
下顎孔伝達麻酔
下顎神経が下顎孔へ入る部位で神経をブロックする方法です。
通常の浸潤麻酔では十分な効果が得られない下顎臼歯部に対して有効で、
- 下顎の半側を広範囲に麻酔できる
- 奥歯の治療や親知らずの抜歯で広く用いられる
といった特徴があります。
一方で、神経や血管の近くへ注射するため、適応は十分に検討したうえで行われます。
抗菌薬による炎症のコントロール
感染や腫れが著しい場合には、治療を安全に進めるため、先に抗菌薬などで炎症を抑えることがあります。
炎症が改善し組織環境が正常に近づくことで、局所麻酔が効きやすくなることが期待できます。
よくあるご質問
麻酔をしたのに神経を取ると痛いのはなぜですか?
原因は一つではありません。
- 炎症による組織の酸性化
- 下顎臼歯部の解剖学的特徴
- 麻酔薬が十分に浸透していない
- 緊張や不安によって痛みを感じやすくなっている
これらが複合的に影響していることが多くあります。
親知らずの抜歯で痛みが出やすいのはなぜですか?
特に**下顎の埋伏智歯(親知らず)**では、
- 骨の深い位置に埋まっている
- 厚い皮質骨に覆われている
- 周囲に炎症を伴っていることが多い
といった条件が重なるため、通常の浸潤麻酔だけでは十分な麻酔効果が得られない場合があります。
このような症例では、下顎孔伝達麻酔や歯根膜麻酔などを併用しながら、患者さんの痛みに十分配慮して治療を進めます。
基本情報
- 事業所名
- 医療法人社団スマイル会 ふかさわ歯科クリニック篠崎
- ふりがな
- いりょうほうじんしゃだんすまいるかい ふかさわしかくりにっくしのざき
- 代表者名
- 深沢 一
- ふりがな
- ふかさわ はじめ
- 営業時間
-
(月~金)9:00 〜 13:00 14:30 〜 19:30
(土)8:00 〜 13:00 14:00 〜 18:00
(日)8:00 〜 13:00 14:00 〜 17:30 - 定休日
- 第三金曜日の午前中は院内研修のため休診です。
- 電話番号
- 03-3676-1058
- Webサイト
- https://2525.biz/
- 所在地
- 〒133-0061
江戸川区篠崎町7丁目 27-23-ISIビル千葉銀行3F - アクセス
- 都営新宿線篠崎駅南口徒歩1分です。ローターリー前の千葉銀行が1階にあるビルの3階です。京成バス、都営バスなら都営新宿線篠崎駅南口バス停下車し、徒歩1分です。








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