誤嚥性肺炎と歯周病の関係|口腔内細菌が肺炎を引き起こす
最終更新日:2026年07月31日
医療法人社団スマイル会 ふかさわ歯科クリニック篠崎
(篠崎町7丁目)
誤嚥性肺炎と歯周病の密接な関係
誤嚥性肺炎は、唾液や食物とともに口腔内細菌が気道へ侵入し、肺で感染を起こすことで発症する肺炎です。特に歯周病では口腔内の細菌数が増加するため、誤嚥性肺炎の重要な危険因子の一つと考えられています。
誤嚥性肺炎に関与する主な歯周病関連菌
歯周病では歯周ポケット内に多くの嫌気性細菌が増殖し、炎症や歯周組織の破壊を引き起こします。代表的な菌には以下があります。
- Porphyromonas gingivalis
- Fusobacterium nucleatum
- Eikenella corrodens
- Capnocytophaga属
これらの細菌は歯周病の進行に深く関与するとともに、誤嚥によって肺へ侵入すると肺炎の発症リスクを高めることがあります。歯周病原菌の詳細な同定には、リアルタイムPCRなどの分子生物学的検査が用いられます。
口腔常在菌も肺炎の原因となることがあります
健康な口腔内に存在する常在菌であっても、嚥下機能が低下すると肺へ流入し、感染の原因となることがあります。
代表的な菌は以下のとおりです。
- Streptococcus milleri群(ビリダンス連鎖球菌)
- Bacteroides属
- Peptostreptococcus属
- Moraxella catarrhalis
- Actinomyces israelii
また、入院中や介護施設などでは次の細菌が原因となることもあります。
- 黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)
- 大腸菌(Escherichia coli)
- 緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)
歯周病が誤嚥性肺炎を招きやすい理由
細菌量の増加
歯周病では歯周ポケット内で細菌が大量に増殖し、歯肉からの出血や排膿により細菌が増えやすい環境となります。
唾液中への細菌の拡散
増殖した細菌は唾液中にも多く存在するようになります。嚥下機能が低下すると、睡眠中や食事中に唾液とともに細菌が気道へ流入し、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があります。
高齢者ではリスクがさらに高まる
加齢により嚥下反射や咳反射が低下すると、むせることなく気道へ唾液や食物が入り込む不顕性誤嚥が起こりやすくなります。
その結果、歯周病によって増加した細菌が肺へ運ばれ、誤嚥性肺炎の発症につながる危険性が高まります。
歯周病が進行した口腔内では細菌量が増加します
下顎前歯には大量の歯垢や歯石が付着し、歯周病が進行している状態が認められます。歯周ポケット内で増殖した細菌は唾液中へ拡散し、高齢者や嚥下機能が低下した方では誤嚥によって肺へ到達しやすくなります。
毎日のセルフケアに加え、歯科医院で専門的なクリーニングを受けて口腔内細菌を減らすことは、誤嚥性肺炎の予防にも重要です。
誤嚥性肺炎のリスクが高い方
次のような方では、誤嚥性肺炎の発症リスクが高くなります。
- 高齢者(嚥下反射・咳反射の低下)
- 脳卒中後などで嚥下障害がある方
- 認知症の方
- 要介護者や寝たきりの方
- 術後や全身状態が低下している方
誤嚥性肺炎を予防するためのポイント
① 口腔衛生の徹底
- 毎日の歯磨き
- 歯間ブラシ・デンタルフロスの使用
- 舌清掃による舌苔の除去
- 定期的な歯科医院でのクリーニング
口腔内細菌を減らすことは、誤嚥性肺炎予防の基本となります。
② 洗口剤の活用
歯科医師・歯科衛生士の指導のもとで抗菌性洗口剤を併用すると、口腔内細菌やバイオフィルムのコントロールに役立つ場合があります。
③ 食事時の姿勢
- 上体を30〜60度起こす
- 軽く顎を引いた姿勢で食事をする
適切な姿勢は誤嚥予防に有効です。
④ 食事形態の調整
嚥下機能に応じて、ゼリー状やペースト状など飲み込みやすい形態を選択します。水分や刻み食は、状態によっては誤嚥しやすい場合があるため、個々の嚥下機能に合わせた調整が重要です。
⑤ 食事方法の工夫
- 一口量を少なくする
- ゆっくり食べる
- 飲み込みを確認してから次の一口を摂る
必要に応じて嚥下補助食品を活用します。
⑥ 口腔機能訓練
舌・口唇・頬の筋力を維持・向上させるトレーニングは、オーラルフレイル対策や誤嚥予防に役立ちます。
摂食嚥下障害と誤嚥のメカニズム
嚥下は次の5段階で行われます。
- 先行期:食べ物を認識し、食べる準備をする
- 準備期:咀嚼して食塊を形成する
- 口腔期:舌で食塊を咽頭へ送り込む
- 咽頭期:嚥下反射が起こり、気道を閉鎖する
- 食道期:食塊を胃へ送り込む
この中でも咽頭期の障害は誤嚥を起こしやすく、誤嚥性肺炎と密接に関係しています。
誤嚥性肺炎の疫学的特徴
誤嚥性肺炎は高齢になるほど発症リスクが高くなります。
- 加齢に伴い嚥下機能は徐々に低下する
- 不顕性誤嚥は高齢者で多く認められる
- 肺炎による死亡は65歳以上で大半を占める
誤嚥性肺炎は、加齢による嚥下機能の低下と口腔内細菌の増加が重なることで発症リスクが高まります。そのため、日頃から口腔衛生を維持し、必要に応じて嚥下機能の評価や訓練を受けることが、発症予防につながります。
基本情報
- 事業所名
- 医療法人社団スマイル会 ふかさわ歯科クリニック篠崎
- ふりがな
- いりょうほうじんしゃだんすまいるかい ふかさわしかくりにっくしのざき
- 代表者名
- 深沢 一
- ふりがな
- ふかさわ はじめ
- 営業時間
-
(月~金)9:00 〜 13:00 14:30 〜 19:30
(土)8:00 〜 13:00 14:00 〜 18:00
(日)8:00 〜 13:00 14:00 〜 17:30 - 定休日
- 第三金曜日の午前中は院内研修のため休診です。
- 電話番号
- 03-3676-1058
- Webサイト
- https://2525.biz/
- 所在地
- 〒133-0061
江戸川区篠崎町7丁目 27-23-ISIビル千葉銀行3F - アクセス
- 都営新宿線篠崎駅南口徒歩1分です。ローターリー前の千葉銀行が1階にあるビルの3階です。京成バス、都営バスなら都営新宿線篠崎駅南口バス停下車し、徒歩1分です。








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