エムドゲインによる歯周組織再生療法の基礎と臨床
最終更新日:2026年08月01日
医療法人社団スマイル会 ふかさわ歯科クリニック篠崎
(篠崎町7丁目)
エムドゲインによる歯周組織再生療法の基礎と臨床
エムドゲインとは?成分と作用機序
エムドゲインは、歯の発生過程で重要な役割を果たす**エナメルマトリックスデリバティブ(EMD:Enamel Matrix Derivative)**を主成分とした歯周組織再生材料です。
ブタ歯胚由来のタンパク質を精製して製造されており、生体親和性に優れ、安全性の高い材料として世界中で広く使用されています。
エムドゲインを歯根面へ応用することで、歯の発生時に近い環境を再現し、歯根膜・セメント質・歯槽骨の再生を促します。炎症を抑えるだけではなく、失われた歯周組織の再構築を目指せることが、従来の歯周外科治療との大きな違いです。
臨床実績と信頼性
エムドゲインは1990年代に欧州で臨床応用が開始され、日本でも厚生労働省の承認を受けています。現在では50か国以上で使用され、100万人を超える症例に応用されるなど、多くの臨床実績があります。
これまでの研究では、
- 安全性
- 歯周組織再生効果
- 長期的な治療成績
が報告されており、現在では歯周組織再生療法の代表的な治療法の一つとして位置づけられています。
エムドゲインによる再生メカニズム
通常の歯周治療では、治癒過程で歯肉上皮が先に増殖するため、歯周ポケットは改善しても、本来の歯周組織が十分に再生されるわけではありません。
一方、エムドゲインを応用すると、
- 歯周組織細胞の分化・増殖を促進
- セメント質形成を誘導
- 歯根膜の再生を促進
- 歯槽骨の再生を促す
といった作用により、より生理的な歯周組織の再生が期待できます。
特に歯根膜の再生は、歯が噛む力を適切に受け止めるために重要な要素であり、歯の機能回復にも大きく関わります。
再生される3つの歯周支持組織
エムドゲインでは、主に以下の歯周支持組織の再生を目指します。
- 歯根膜:歯と骨をつなぎ、咬合力を吸収する組織
- セメント質:歯根表面を覆い、歯根膜が付着する組織
- 歯槽骨:歯を支える顎の骨
これらが再生することで、歯を支える組織全体の機能回復が期待できます。
他の歯周組織再生療法との比較
歯周組織再生療法には、エムドゲインのほかにリグロスや**CGF(Concentrated Growth Factors)**などがあります。
| 治療法 | 主成分 | 特徴 |
|---|---|---|
| エムドゲイン | エナメルマトリックスデリバティブ | 歯の発生を模倣し、生理的な歯周組織再生を促す |
| リグロス | 塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF) | 保険適用。適応症例で高い再生効果が期待できる |
| CGF | 患者自身の血液由来成長因子 | 自己血由来のため拒絶反応が少なく、他の再生療法と併用されることが多い |
それぞれ適応や特徴が異なるため、骨欠損の形態や歯周病の進行度などを総合的に評価して治療法を選択します。
適応症と注意点
適応となる主な症例
- 垂直性骨欠損
- 深い歯周ポケット(一般的に5mm以上)
- 単根歯を中心とした歯周病
一方、以下のようなケースでは十分な治療効果が得られにくい場合があります。
- 喫煙習慣がある
- 糖尿病のコントロールが不良
- 水平性骨吸収が主体の症例
- プラークコントロールが不十分
適応については精密検査を行い、慎重に判断します。
エムドゲイン法(歯周組織再生療法)の治療の流れ
STEP1 歯周基本治療後の状態
スケーリングやルートプレーニングなどの歯周基本治療を終え、プラークコントロールが良好になった段階で再評価を行います。
歯ぐきの炎症が改善していても、歯槽骨の垂直性欠損は自然には回復しません。再生療法は、このような骨欠損に対して検討される治療法です。
STEP2 フラップ手術(歯周外科治療)
局所麻酔後に歯肉を切開・剥離し、歯根面や骨欠損部を直接確認しながら処置を行います。
歯周基本治療では除去できなかった歯石や感染した肉芽組織を徹底的に除去し、歯根面を清潔な状態に整えます。
垂直性骨欠損が確認された場合には、再生療法の適応を最終判断します。
STEP3 エムドゲインゲルの塗布
歯根面を専用の薬剤で処理した後、エムドゲインゲルを骨欠損部へ塗布します。
エムドゲインは流動性が高いため、骨欠損の形態によっては人工骨を併用し、再生スペースを維持することがあります。
なお、エムドゲインは自由診療ですが、類似した再生療法として保険適用のリグロスが選択できる症例もあります。
STEP4 歯肉の縫合
エムドゲイン塗布後は歯肉を元の位置へ戻し、丁寧に縫合します。
症例に応じて、
- 単純縫合
- マットレス縫合
- 8の字縫合
- 懸垂縫合
などを組み合わせ、術部の安定と良好な治癒を図ります。
STEP5 歯周パックによる保護
術後は必要に応じて歯周パック(コーパック)を装着し、傷口を保護します。
通常は約1週間後の抜糸時に歯周パックも除去します。
術後管理の重要性
再生途中の歯周組織は非常に繊細であるため、術後管理が治療結果を左右します。
術後は、
- ブラッシング方法の一時的な変更
- 軟らかい食事を中心とした生活
- 禁煙
- 定期的なメンテナンス
などの指示を守ることが重要です。
治癒期間は一般的に6か月〜1年程度で、長期的な経過観察を行いながら歯周組織の成熟を確認します。
費用と保険適用
エムドゲインによる歯周組織再生療法は自由診療となります。
費用の目安は1歯あたり約5〜15万円ですが、骨欠損の大きさや人工骨併用の有無などによって異なります。
一方、リグロスは一定の適応条件を満たす場合、保険診療で治療を受けることが可能です。
どの治療法が適しているかは、骨欠損の状態や全身の健康状態、患者さんのご希望などを踏まえて総合的に判断します。
基本情報
- 事業所名
- 医療法人社団スマイル会 ふかさわ歯科クリニック篠崎
- ふりがな
- いりょうほうじんしゃだんすまいるかい ふかさわしかくりにっくしのざき
- 代表者名
- 深沢 一
- ふりがな
- ふかさわ はじめ
- 営業時間
-
(月~金)9:00 〜 13:00 14:30 〜 19:30
(土)8:00 〜 13:00 14:00 〜 18:00
(日)8:00 〜 13:00 14:00 〜 17:30 - 定休日
- 第三金曜日の午前中は院内研修のため休診です。
- 電話番号
- 03-3676-1058
- Webサイト
- https://2525.biz/
- 所在地
- 〒133-0061
江戸川区篠崎町7丁目 27-23-ISIビル千葉銀行3F - アクセス
- 都営新宿線篠崎駅南口徒歩1分です。ローターリー前の千葉銀行が1階にあるビルの3階です。京成バス、都営バスなら都営新宿線篠崎駅南口バス停下車し、徒歩1分です。








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