妊娠中のレントゲン撮影は大丈夫?歯科X線の胎児への影響
最終更新日:2026年08月11日
医療法人社団スマイル会 ふかさわ歯科クリニック篠崎
(篠崎町7丁目)
妊娠中のレントゲン撮影は大丈夫?歯科X線の胎児への影響と注意点
妊娠中に歯科医院でレントゲン(X線)撮影を勧められると、「お腹の赤ちゃんに影響しない?」「放射線を浴びても大丈夫?」と心配になる方も多いのではないでしょうか。
特に妊娠初期は胎児の重要な器官が形成される時期であるため、レントゲン撮影に不安を感じるのは自然なことです。
しかし、歯科で一般的に行われるレントゲン撮影による胎児の被ばく線量は非常に少なく、診断のために必要な範囲で適切に撮影する場合、胎児への影響を過度に心配する必要はないと考えられています。
大切なのは、「妊娠中だからレントゲンをすべて避ける」のではなく、撮影によって得られる診断上のメリットと、撮影しないことによるリスクを比較して判断することです。
妊娠中でも歯科レントゲンは撮影できる?
妊娠中であっても、診断や治療のために必要と判断されれば歯科レントゲン撮影を行うことがあります。
歯科で撮影するデンタルX線やパノラマX線は、主に歯や顎の周囲にX線を照射する検査です。子宮は撮影部位から離れているため、胎児が直接X線を受ける検査ではありません。
また、現在のデジタルX線撮影装置は少ない放射線量で画像を得られるようになっており、歯科X線撮影による胎児への被ばくは極めてわずかです。
そのため、強い歯痛や腫れ、感染などがあり、レントゲン撮影をしなければ適切な診断や治療が難しい場合には、妊娠中であっても必要な撮影を行うことがあります。
妊娠時期によってレントゲン撮影の考え方は違う?
妊娠初期
妊娠初期は胎児の重要な器官が形成される時期です。そのため、歯科治療についても緊急性や必要性を考慮しながら慎重に進めます。
ただし、これは「妊娠初期には歯科レントゲンを撮影してはいけない」という意味ではありません。
歯科で通常行われるX線撮影による胎児の被ばく線量は、胎児への障害が問題となる線量と比較してはるかに低いレベルです。
強い痛みや感染などがある場合には、妊娠初期であっても必要な検査を行い、適切な治療につなげることが重要です。
一方、急いで行う必要のない検査や治療については、体調などを考慮して時期を調整する場合があります。
妊娠中期
妊娠中期は、一般的に妊婦さんの体調が比較的安定しやすく、必要な歯科治療を行いやすい時期です。
妊娠初期につわりなどで十分な治療ができなかった場合には、この時期に虫歯や歯周病などの治療を進めることがあります。
必要に応じてレントゲン撮影を行い、口腔内の状態を正確に確認したうえで治療計画を立てます。
妊娠後期
妊娠後期でも、必要であれば歯科レントゲン撮影は可能です。
ただし、お腹が大きくなると、歯科用チェアで仰向けの姿勢を長時間続けることが負担になる場合があります。
特に妊娠後期では、大きくなった子宮によって下大静脈が圧迫され、仰向けの姿勢で気分が悪くなる「仰臥位低血圧症候群」が起こることがあります。
そのため、妊婦さんの体調を確認しながら、治療時間や姿勢などに配慮して診療を行います。
歯科レントゲンによる胎児への影響が非常に小さい理由
撮影する場所が子宮から離れている
歯科レントゲンでは、歯や顎など頭頸部を撮影します。
腹部や骨盤を直接撮影する検査とは異なり、胎児にX線を直接照射するものではありません。
胎児が受ける可能性のある放射線は主に散乱線によるもので、その量は非常に少ないと考えられています。
歯科レントゲンの放射線量は少ない
歯科で使用するデンタルX線やパノラマX線による被ばく線量は、一般的な医科のCT検査などと比較すると非常に少ないことが特徴です。
私たちは普段の生活でも、宇宙や大地、食べ物などから「自然放射線」を受けています。
歯科レントゲンによる被ばくは、このような日常生活で受ける自然放射線と比較しても小さな線量です。
ただし、検査の種類や撮影装置、撮影条件によって線量は異なるため、一律の数値だけで安全性を判断するのではなく、必要な検査を必要な範囲で行うことが重要です。
必要最小限の範囲で撮影する
医療で放射線を使用する際には、診断に必要な画像を得ながら、不要な被ばくをできるだけ少なくすることが基本です。
歯科医院でも、撮影範囲や撮影回数を検討し、診断に必要な範囲でレントゲン撮影を行います。
なお、防護エプロンを使用する歯科医院もありますが、現在では撮影装置の性能向上や照射範囲の適正化などにより、防護エプロンの有無だけで安全性が決まるわけではありません。
妊娠中でもレントゲン撮影が必要になるケース
強い歯の痛みがある
歯が激しく痛む場合、深い虫歯や歯髄炎、歯の根の先に生じた炎症などが原因となっていることがあります。
歯の内部や歯根周囲の状態は、口の中を見るだけでは十分に判断できません。
必要に応じてレントゲン撮影を行い、原因を確認したうえで適切な治療を行います。
歯ぐきや顔が腫れている
歯の感染が進行すると、歯ぐきや頬が腫れたり、膿がたまったりすることがあります。
感染を放置すると症状が悪化する可能性があるため、レントゲンによって感染源や炎症の広がりを確認することがあります。
親知らずに炎症がある
親知らずの周囲が腫れたり痛んだりしている場合、親知らずの生えている方向や顎の骨の中での位置を確認するため、レントゲン撮影が必要になることがあります。
特に埋伏している親知らずは、口の中を見るだけでは状態を十分に把握できません。
歯周病の状態を詳しく調べる
妊娠中は女性ホルモンの変化などによって歯ぐきに炎症が起こりやすく、「妊娠性歯肉炎」がみられることがあります。
歯周病が疑われる場合には、歯周ポケットの検査などに加え、必要に応じてレントゲンで歯を支える歯槽骨の状態を確認します。
歯周病と早産・低出生体重児との関連については多くの研究が行われていますが、歯周病が直接その原因になると単純に断定できるものではありません。
一方で、妊娠中も口腔内の感染や炎症を適切に管理することは大切です。
「レントゲンを撮らないこと」にもリスクがある
妊娠中は放射線への不安から、「できればレントゲンは一切撮りたくない」と考える方もいらっしゃいます。
しかし、レントゲンを撮影しないことで虫歯や歯の根の感染などを正確に診断できず、必要な治療が遅れてしまう可能性があります。
特に感染が進行している場合には、痛みが強くなるだけでなく、腫れや発熱などにつながることもあります。
そのため、
「レントゲンを撮るリスク」だけでなく、「必要なレントゲンを撮らずに病気を見逃したり、治療が遅れたりするリスク」も考える必要があります。
歯科医師は、その両方を考慮して撮影の必要性を判断します。
妊娠中に歯科を受診するときのポイント
妊娠中に歯科医院を受診する際には、受付や歯科医師に妊娠していることを伝えてください。
可能であれば、次の情報も伝えておくと診療がスムーズです。
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現在の妊娠週数
-
出産予定日
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妊娠の経過
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産婦人科から受けている注意事項
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現在服用している薬
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アレルギーの有無
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つわりや体調の状態
妊娠の可能性がある段階でも、そのことを伝えておきましょう。
歯科治療ではレントゲンだけでなく、局所麻酔や処方薬などについても妊娠週数や全身状態を考慮する必要があります。
妊娠中の歯科用CTは大丈夫?
歯科用CT(コーンビームCT:CBCT)は、歯や顎の状態を三次元的に確認できる検査です。
通常のデンタルX線やパノラマX線より多くの情報を得られる一方、一般的には被ばく線量も高くなるため、妊娠中は特に撮影の必要性を慎重に判断します。
ただし、歯科用CTについても腹部を直接撮影する検査ではありません。
重い感染症が疑われる場合など、CTによる詳しい画像情報が診断や治療方針の決定に重要である場合には、妊娠中でも撮影を検討することがあります。
単に「妊娠中だからCTは禁止」と考えるのではなく、検査によって得られるメリットと被ばくによるリスクを比較して判断することが重要です。
妊婦さんからよくある質問
妊娠に気づかず歯科レントゲンを撮ってしまいました。大丈夫ですか?
妊娠に気づく前に歯科レントゲンを撮影してしまい、不安になる方は少なくありません。
しかし、通常の歯科レントゲンによって胎児が受ける放射線量は非常に少なく、撮影したという事実だけで胎児への影響を過度に心配する必要はありません。
不安がある場合には、いつ、どのようなレントゲンを何回撮影したのかを歯科医師や産婦人科医に伝えて相談してください。
妊娠初期にレントゲンを撮っても大丈夫ですか?
必要性がある場合には、妊娠初期でも歯科レントゲン撮影を行うことがあります。
妊娠初期だからという理由だけで、診断に必要な撮影を一律に避ける必要はありません。
一方、緊急性がなく延期しても問題のない検査については、妊娠週数や体調を考慮して撮影時期を調整する場合があります。
妊娠中はレントゲンを完全に避けた方がよいですか?
いいえ。
医学的に必要のない放射線被ばくは避けるべきですが、診断や治療に必要なレントゲンまで一律に避ける必要はありません。
撮影しないことによって診断や治療が遅れる場合には、必要なレントゲンを適切に撮影することが、結果として妊婦さんの健康を守ることにつながります。
防護エプロンを着ければ絶対に安全ですか?
防護エプロンは放射線防護のために使用されてきましたが、安全性を防護エプロンだけで判断することはできません。
重要なのは、適切に管理された撮影装置を使用し、必要な部位を必要最小限の範囲で撮影することです。
防護エプロンの使用については、医療機関の方針や撮影方法によって異なる場合があります。
歯科と産婦人科のどちらに相談すればよいですか?
歯や歯ぐきの症状、レントゲン撮影や歯科治療の必要性については、まず歯科医師に相談してください。
妊娠経過や全身状態、妊娠に伴う特別な注意事項がある場合には、必要に応じて産婦人科医と情報を共有しながら治療を進めます。
妊娠中も必要な歯科検査・治療を適切に受けましょう
妊娠中だからといって、歯科レントゲン撮影をすべて避けなければならないわけではありません。
一般的な歯科レントゲンは撮影範囲が口や顎に限られており、胎児が直接X線を受ける検査ではありません。適切な条件で行われる歯科X線撮影による胎児への被ばくは非常に少ないと考えられています。
一方、強い歯痛や腫れ、感染などを放置すると、症状が悪化して妊娠中に大きな負担となる可能性があります。
大切なのは、
「妊娠中だから撮影しない」のではなく、「そのレントゲンが診断や治療のために本当に必要か」を判断することです。
妊娠していることや妊娠の可能性があることを歯科医院へ伝え、妊娠週数や体調に配慮しながら、必要な検査と治療を受けましょう。
基本情報
- 事業所名
- 医療法人社団スマイル会 ふかさわ歯科クリニック篠崎
- ふりがな
- いりょうほうじんしゃだんすまいるかい ふかさわしかくりにっくしのざき
- 代表者名
- 深沢 一
- ふりがな
- ふかさわ はじめ
- 営業時間
-
(月~金)9:00 〜 13:00 14:30 〜 19:30
(土)8:00 〜 13:00 14:00 〜 18:00
(日)8:00 〜 13:00 14:00 〜 17:30 - 定休日
- 第三金曜日の午前中は院内研修のため休診です。
- 電話番号
- 03-3676-1058
- Webサイト
- https://2525.biz/
- 所在地
- 〒133-0061
江戸川区篠崎町7丁目 27-23-ISIビル千葉銀行3F - アクセス
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