印材の真贋とそれに纏(まつ)わるお話。

テーマ(タイトル)：　印材の真贋とそれに纏(まつ)わるお話。

 

　

最近ご縁がございましたお客様の傾向です。　
　　
　　　　　　　　～　ご参考までにどうぞ　～

 

〇　ご来店されて、ご自身の実印についてご相談されて、その
　　お話を纏めて約定される方。　　　　　　　　　　　　  　(2割)
〇　ご自身やお子様のための銀行印をご依頼される方　　　　(2割)
〇　持って来られた印章を視させていただいて、それから何
　　かしらの印章に作り直しを依頼されてゆく方。　　　　  　(1割)
〇　印材になりそうなものを持参されて、個人印(花押・落款)
　　として製作を依頼される方。　　　　　　　　　　　　  　(1割)
〇　貴石類をお持ちになって来られて、なにかしらの印章に
　　される方　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(1割)
〇　こだわりの材料を持参されて、そこに字入れの依頼を
　　される方。(表札)　　　　　　　　　　　　　　　　　  　(1割)
〇　各種ゴム印作っていかれる方　　　　　　　　　　　　　(1割)
〇　シャチハタや科目印そして補充インクのお願いのある方    (1割)

　

　　～　本年度は、現在までこんな感じで推移しています。　～

 

　　

　　輸入印材は新しい関税制度により値上がりしていますが、
　　当方には、十分であるだろう在庫を保有していますので、
　　当分の間は、付属品関係(印章ケース・化粧箱[袋])も含めて
　　の原価の増加分は、本体＋当方オリジナルのケースであれば、
　　相変わらずのお値段で出せると思います。

　　印章にも相場価格がございまして、そこから大きく乖離した
　　売価をつけることは、印章組合や業者仲間、ならびに通商
　　産業省の指導により、禁止されています。
　　だから、どこのお店でもお値段は基本的に近いです。
　　ただ、そこに、手彫りや印相鑑定した書体などの付加価値が
　　加わって、謂わばオーダーメイドになれば、もちろん、資格

　　や許可証を提示しなければなりませんが、そこでお値打ち品、

　　言い換えれば、少々お値段が高くなります。
　　しかしながら、象牙などは通商産業省の製品保証マークが添付

　　されますし、水牛類に於いても、真贋の真(本物)であることを

　　保証する印章鑑定書をご希望の方にはお渡しすることで、安心

　　感も一緒にご提供させていただいています。

 

　　「CITES」
　　　(ワシントン条約＝絶滅危惧種の保護に関する国際条約)

　　　これに付帯する様に、黒水牛には金色の本水牛の楕円の
　　　マークが、オランダ水牛には鑑定会社(山良)の、こちらも
　　　楕円のマークが印材やそれらが収められた箱の上蓋の裏に
　　　記されています。

　　　これらがないものは、すべて人工物といって間違いないで
　　　しょうし、印材にはなりますが、品質(経時変化[劣化])・
　　　価格共に正規品に比べて前者では品質5割ほど、後者では、
　　　正規品の1割～2割半の価格で流通しています。
　　　これら贋品は機械ロボットやレーザーもしくはサンドブラ
　　　スターで彫刻するというよりは針で突いたり溶かしたりし

　　　てゆきますゆえに、印材の中身に「ひび・立目割れ」等を

　　　起こす場合があります。そもそも人工品は生物材料のよう

　　　に芯を巻くように年輪状に構成されていった「目」、柘植

　　　では木目に当りましょう、目の立ち方が垂直と対象なの

　　　ですから、印刀で彫ることが不可能なので手彫りのはんこ

　　　はありません。(部分的な立割り＝細かい割れが生じます。)

 

　　　結果として、鴈品の値打ちを視るのではなく、私たち印判
　　　士は、手で彫刻できるのか否かを視ているのです。
　　　手がける前に鑑定士になって、品物の真贋を判断してから
　　　仕事に仕掛かります。でも、手彫りが視認できれば、大抵
　　　は大丈夫です。（改刻の場合）

 

　　　それよりも新規の約定で掴まされないようにしたほうが
　　　いいです。

　　　

　　　特に、オランダ水牛(牛角)の人工品は正規品の半値で販売

　　　されていますので、。印材会社は注意喚起しているのが現状

　　　です。

 

　　　改刻(かいこく＝印面を研磨して、再彫刻すること。)は、
　　　日本印章組合の加盟店(＝1級印判士たちのお店)では実印
　　　で12200位～で扱っているはずです。

　　　最寄りの印章専門店へおこしになってご確認ください。

 

　　　話が長くなりましたが、

 

　　　ここでは、全国の老舗が考慮しているところを伝えたくて、
　　　著してみました。

 

　　　ご参考になれば幸いと存じます。

 

　　　

　　　
　　　長月大安日
　　　西川耕雲堂