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こんや鍼灸治療室

我が子をあげるということ2020年01月09日

10年前に健康管理の為に来院した時は健康な散歩好きの70歳代でしたが、その後心筋梗塞を発症しカテーテル治療で回復するものの散歩中に突然の脱力で、結果的に脊髄梗塞と診断され、その後遺症がありながらも杖歩行で以前の2倍の時間をかけて通ってくる80歳代男性。


治療中に「OO□□って調べてくれないか」と患者さんと同じ苗字の名前を言われました。ベッド1台ですしPCがあるのでお安い御用とネット環境の無い患者さんの為に大きくて運べない嵩物や、近所では扱っていない物などのアマゾンの注文代行の様な事はたまにやっているのですが検索依頼は珍しいことです。


「オレの息子なんだけどさ、子供が出来なかった弟夫婦にあげたんだよ」と。


当時はそういうものかと親の言うことに従ったのですが、その時以来弟夫婦とは疎遠になってしまったそうです。というか貰った子供を失うのが怖かったのか警戒して会わせてくれないのでちらっとしか会ったことはなく、あいさつ程度しか話したこともないそうです。


義父の言うこととはいえ我が子を手放すことに納得していなかった奥さんとは決定的な溝が出来てしまい事ある毎にそのことを言われ、今となっては親の指示に逆らえなかった自分にもいまだ忸怩たる思いでいるのだというのです。出生届も弟夫婦が自分の子供として届けたそうです。


その弟にあげた、夫婦にとっては三人目の子供さんは中でも優秀で東大を出て大企業に就職し、ググったところによると、その中で偉くなって最近は政府系の大きなプロジェクトにも参画しているようでした。


貰われていった彼も、他の兄弟もその辺の事情は何となく気付いているのか知らないのか微妙らしいのですが。そういう事情で息子にも孫にも聞けずに僕に検索を頼んだ訳です。


昔には少なからずよくあった話のようですが、お嫁さんとして来てお腹を痛めて産んだ女性にとっては会えないことでいつまでも消えることのない大きな傷となって残ってしまったのでしょう。


患者さんは治療後「ずいぶんと偉くなったんだなあ」と感想をもらし帰っていきました。
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