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ふれんちばる ふじたかフレンチバル FujiTaka

Interview No.13

料理は愛情 一流レストランの味付けと アットホームな雰囲気でおもてなしする 隠れ家バル

取材日:2019年2月20日

会社概要

フレンチバル FujiTaka 看板

 平成27年に開店した、フランスの田舎料理をはじめとしたこだわりの料理とワインを扱うフレンチバル。
 『フランス料理は堅苦しい』というイメージを払しょくすべく、気軽に来てほしいという思いからバルという業態を選び、現在4年目を迎えた。
 店内は隠れ家的な落ち着いた雰囲気で、女性の方が一人で飲みに来店されることも少なくない。
 また、毎週おすすめのメニューを変えるなど、常にお客様を惹きつけるお店づくりをしており、常連のお客様はもちろん、『記念日はFujiTakaで過ごす』と決めているお客様もおり、地元の多くの方々に愛されている。

オーナーシェフさん紹介

社長さん紹介 オーナーシェフ 藤田 貴之

 料理専門学校を卒業後、シェフとしてレストランやホテルで働く。その後しばらく会社員として生活し料理の世界から離れていたが、料理への情熱を捨てきれず、再びレストランで働く道を選んだ。
 この業界に戻るからには40歳までに独立することを自らの目標として定め、様々な料理店でノウハウを着実に身につけてきた。
 「趣味は、食べることとドライブやサーフィンなどアウトドア活動です。ただ現在は他店への調査・研究も兼ねて食べることに注力しています」とのお話しを伺い、食への飽くなき探究心を感じました。


- インタビュー memo -

「独立をするために、『2年間で前菜を極める』『その次の年はメインディッシュの調理を極める』など、頭の中で具体的な目標を明確にし、着実に課題をクリアしていきました。」と、独立に対する明確なイメージをお伺いすることが出来ました。

ロゴマークや店名の由来を教えてください。
店舗外観 看板

 ロゴマークは『美味しいワインと料理を召し上がって楽しんで頂きたい』という思いから、ワイングラスのシルエットを取り入れています。
 店名は前々から温めていた案があり、保健所の手続きもその名前で登録していたのですが、オープン間近になって有名フレンチビストロと同じ店名であることが判明しました。お客様に混乱を招いてしまうので急いで店名を考え直していたところ、「縁起が良いことを意味する『一富士二鷹三茄子』と自分の名前をかけてみては」という父の提案で現在の『FujiTaka』になりました。

修業時代の思い出や苦労したことを教えてください。
調理中の藤田さん

 私の上司だったシェフの方は皆優しい方でしたが、料理の世界は『見て覚える』という職人の世界です。
 今でも鮮明に覚えていますが、19歳の時にホテルに勤めていた頃に上司から魚をおろせるか尋ねられた際に、深く考えずに「教えて頂けたら頑張ります」と話したところ、目の色変えて「なんでお前に教えなきゃいけないんだ!」と叱られたことがありました。
 同期と仕事を奪い合うことも日常茶飯事でした。鍋を洗うことひとつとっても料理に使われているソースの味を確認するために洗い物を取りあうことや、大きな魚をさばく直前で席を外したら、もうさばかれていた…ということはよくありました。さながら戦争です。

調理中のキッチン

 それから、私もキャリアを積み、肉や魚を焼く花形のお仕事を任されるようになったある日、ソースに使うお酒を勘違いして別の調味料を入れてしまったことがありました。それを別の作業をしていたシェフに「いつものお酒の香りと違う」と指摘されました。「何かをしながらでも常に五感を研ぎ澄まして周りを観察しろ」と教えられ、自分の仕事をしている最中でも常に周囲に気を配らなければならないことを痛感しました。
 伝票の確認や他のレストランの話題など、料理に直接関係のないことでもよく叱られました。ですが、料理以外の重要な基礎の部分を学ばせて頂いた経験は、料理一品一品のコスト計算や他店のリサーチ、情報の入手方法など、現在お店を経営する上で大きな基礎となっています。

江戸川区でお店を始めた経緯を教えてください。

 当初は日本橋などのオフィス街で開店したいと考えていました。ですが慣れ親しんだ江戸川区に、駅から近く自分一人で切り盛りが可能な規模の空き店舗があるとご紹介頂き、こちらでお店を始めようと考え開店に向け行動を開始しました。
 開店した場合のニーズを調べるため、当時は空き時間が出来たら朝昼晩と周辺の飲食店やお客様となる方々の調査を1か月ほどしていました。
 以前、平井に10年近く住んでいましたが小岩にはほとんど来たことがなく、オープンするまでとても不安でしたが、小岩の方々の持つアットホームな人柄もあり、おかげさまで地域の皆様に受け入れて頂いていると感じています。

フレンチバル FujiTaka 店舗内装 元々ラーメン屋さんが入っていたという店内を居抜きで借り、DIYで一部内装を改造。バルらしい雰囲気に仕上げた。
どのような料理を提供しているのですか?
揚げ物料理 例

 当初は『フランス料理とワインを気軽に』というコンセプトでフランス料理色の強いスタイルだったのですが、お客様から「パートフィロって何ですか?」「これはどんな料理ですか?」などの質問をよく頂きました。そこでフランス料理にこだわりすぎないよう、スペイン料理のアヒージョをメニューに取り入れるなど、メニューを少しずつ変更していきお客様が分かりやすいようにしました。
 他にも期間限定の料理を取り入れ、常にお客様に楽しんでもらえるように料理を提供しています。

料理写真 例
FujiTakaさんならではの強みはなんですか?
牛ホホ肉の赤ワイン煮
新メニューのアイデアメモ

 フランス料理のレストランで修行してきた経験と技術の蓄積からメニューを考案しています。この価格帯では他店には負けない味だと自負しています。
 例えば、牛ホホ肉の赤ワイン煮などは、私がずっとお世話になっていた日本橋のレストランのシェフから教わったソースの味付けです。もちろん、数々のレストランで修行を積んだ経験から学んできた味付けや調理法で料理を提供しています。
 また、たえずお客様に楽しんでもらえる新メニューを考案し続けるため、『頭にうかんだメニューのアイデアを思いつく限り書き出すこと』を心がけています。寝室の枕元にメモ帳と料理雑誌を置き、料理番組やレシピ本から得たひらめきや新たなアイデアを逃さないようにしています。

どのようなメニューを定期的に変更しているのか教えてください。

 店内の黒板に書いてあるメニューは毎週変更しています。前述のとおりお客様に楽しんでもらえるように、また気軽に様々な料理を味わってもらいたいため、定期的に変えています。
 ワインも料理同様、一部定期的に変更しており、お客様一人一人がお好みの料理とワインの相性を見つけることを楽しんで頂ければ、と思います。
 また、冬は煮込み料理やグラタン、夏はさっぱりした魚介のマリネなど、季節や食材によってもメニュー構成を変えて重複しないよう工夫しています。
 よく『当店のおすすめはこれ!』というメニューがありますが、当店はどの料理もすべて腕によりをかけて作った料理ですので、すべての料理がおすすめです。おかげさまで、今では一週間に2度も来店して下さるお客様もいらっしゃって、本当にありがたい限りです。

週替わりの料理メニュー

料理のメニュー。常連のお客様は入店後まずこのメニューに目を通す。

ワインメニュー

幅広いワインがあり、グラスいっぱいまで注いで提供する『なみなみワイン』というサービスも。

商品紹介
  • 牛ホホ肉の赤ワイン煮 写真
    牛ホホ肉の赤ワイン煮
     
  • オマール海老のポワレ ブイヤベース仕立て
    オマール海老のポワレ
    ブイヤベース仕立て
  • ドリンク各種(赤・白ワイン、果実酒等)
    ドリンク各種
    (赤・白ワイン、果実酒等)

※一例です。季節などによりメニューが変更となっている場合があります。

- インタビュー memo -

上記の『オマール海老のポワレ ブイヤベース仕立て』は、『EDOGAWA美味NAVI(タレントのダニエル・カール氏が江戸川区の飲食店を紹介するYouTubeチャンネル)』にて、ご紹介されたそうです。
「オマール海老の下はリゾットになっています。そのため、魚介類を煮て作ったスープと一緒に召し上がって頂けるとより一層美味しくいただけます。」など、料理一つ一つに込められた情熱をお聞きすることが出来ました。


フレンチバルFujiTakaのEDOGAWA美味NAVIリポートはこちら

嬉しかったエピソードややりがいを感じる瞬間を教えてください。
お話しをする藤田さん

 お客様から『美味しい』とおっしゃって頂けることはやはり嬉しいです。その中でも、「これで明日も頑張れる」という言葉や、「ここの料理が楽しみです」といった言葉は特に印象に残っています。片付けや食材の発注などで毎日夜明けまでかかって大変ですが、お客様の言葉や笑顔のためなら全く苦にはなりません。
 子どもの頃にテレビで見た『料理は愛情』という言葉は、当時はよく分かりませんでしたが、今振り返ると本当にその通りだなと思うようになりました。結婚記念日や誕生日など、大切な記念日に当店のような小さなお店でも選んで頂けるということは凄くありがたいなと感じるとともに、一品一品真心こめて料理を作ってお客様に楽しんで頂けるよう心がけています。
 もちろん、従業員にもお客様に快適な空間を提供する意識など、『常に心配り』をするよう指導しています。

店内の様子
社内の様子

 店内は各所に木材を用い、落ち着いた色合いでまとめられ、バルらしい雰囲気を醸し出しています。席数は14席(テーブル席含む)とこぢんまりとしていますが、カウンター越しに料理をしている様子が実際に見ることができるため、お客様と従業員との距離感の近さが感じられます。
 「こうしてこちらでお店を営業してみて改めて感じたのは、小岩は人情あふれる町だということです。お客様もわざわざお裾分けを持ってきて下さるようなアットホームな方ばかりで、そんなお客様と出会えてよかったなと感じています」と語って下さいました。
 「レストランで働き始めて5年目になってくると、緊張感が薄れていく中で料理をしていたこともありましたが、『自分のお店』として営業し、そしてなにより『お客様の顔を見て話しながら料理を召し上がって頂く』という形なので、日々緊張しながら提供しています」と、お話しの中でオーナーシェフとしての心意気を感じました。

今後の展開についてお聞かせください。
藤田シェフ

 将来的には、料理に対する価値観や考え方を共有できる方と2店舗目を出店したいと考えています。今のご時世、以前勤めていたレストランでも人手不足でなかなか従業員の確保が難しいと言うお話を伺っています。ですが当店は嬉しいことに、良いアルバイトの方々が集まってきて下さって、さらに後輩など新しい方を紹介して下さるので、人に恵まれておりとてもありがたく感じています。
 もう一つは少しの期間だけでもフランスで料理の研究と勉強をしたいと考えています。現地の方々が実際にどのような料理・ワインを口にしているのか、それらを見て食べて経験して…。そのことは当店の料理に大きくいかせるのではないかと考えています。

フレンチバル FujiTakaさま
「えどがわ産業ナビ」インタビューにご協力頂き、本当にありがとうございました。

インフォメーション

フレンチバル FujiTaka 店舗外観
所在地
〒133-0056
東京都江戸川区南小岩8-14-2
荻原ビル1F
Google MAP
最寄り駅
■JR総武線 小岩駅南口より徒歩2分
営業時間
17:30~23:30(※ラストオーダー 23:00)
定休日
不定休
電話番号
03-6657-9550

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