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かぶしきがいしゃ らいと株式会社 ライト

Interview No.15

常識にとらわれず 変化に挑戦し続ける― 「消えないインク」をルーツに ニッチトップを誇る老舗企業

取材日:2019年8月8日

会社概要

ライト 看板

 昭和8年に大阪ライトインキを大阪にて創業。当時は文具用インクの販売代理店を行っていたが、事業譲渡を受けインク製造・販売事業を開始する。昭和44年12月に先代の社長が東京で本格的に事業を始める際、江戸川区に移転。
 86年の歴史を持ち、創業時から販売しているインクだけでなく、クリーニング事業者向けの資材・システムを主要な商品として取り扱っている。
 今では当たり前となっている、ワイシャツのカラータックやクリーニング店のPOSレジシステムを開発し、業界トップシェアを誇る。顧客との相互理解、誠実さを大事にしており、現在の業種にとらわれない新しい取り組みに挑戦し続けている。

社長さん紹介

社長さん紹介 代表取締役社長 中村 健太郎

 株式会社ライトの三代目社長。大手企業でシステムエンジニアを経験。転職を考えていたころ、先代の社長である父の手伝いをしていく中で業務に魅力を感じ、事業継承し現在に至る。
 「前職で身につけた観点を軸に、お客様のお悩みを解決するにはどうすれば良いかを常に考え、心がけています。『失敗を楽しむ』ことをモットーに、社員には積極的に挑戦してもらっています。」
 接しやすく朗らかな印象で、終始明るく取材に対応していただきました。


- インタビュー memo -

「社員が考えていることや不満に思っていることなどを把握するため、必ず年三回は面談し、業務改善に取り組んでいます」と、社員に対する思いやりと職場環境の改善に努めている姿勢が伝わってきました。

企業理念を教えてください。

 お客様から『さすがライトさん』と言っていただけるような会社にしたいということがまず根底にあります。そのうえで、社員には『誠実であること』『相互理解すること』『付加価値を高めること』『自己と家族を大切にすること』の4点を努めるようお願いしています。
 『誠実であること』としては、弊社は何十年にわたって長くお取引をしていただいているお客様が数多くいらっしゃいます。そのようなお客様のためにも、弊社は真にお客様の将来の発展を考えた商品・サービスの提供を心がけています。
 『相互理解すること』は、お客様のお悩みや欲しているものなどをヒアリングするだけでなく、弊社がどんな商品を扱っており、お客様にどのような付加価値を与えられるのかをアピールすることも大切だと考えています。
 『付加価値を高めること』は、弊社が取り扱っている商品自体の付加価値と考えがちですが、弊社は社員のもつスキルも付加価値と考えています。さらに、弊社商品を取り入れたクリーニング事業者のサービスなどの付加価値向上にもつながるよう、自社のみでなく取引先の付加価値も高まることを大切にしています。
 最後に『自己と家族を大切にすること』は、そのままの意味だけでなく、体調の変化に気をつけ、いたわっていこうという意味も込めています。

自社の強みは何ですか?


 様々な用途に応じたインクの取扱いがある点と、クリーニング業界でトップシェアを誇るカラータックやペンなどの製品を製造・販売している点です。
 はじめは文具用のインクを扱っておりましたが、『洗っても落ちないインク』の特許を取得後、どのような業界で活かせるかを探しました。その結果、クリーニング業界とご縁があり、必要とされている物をヒアリングしていく中でカラータックやPOSレジシステムが誕生していきました。
 クリーニング業界は比較的小さい規模ですが、弊社は営業職が多く在籍しており、店舗経営者と直接お話をしてお悩みやニーズを引き出し、製品へ反映していきます。

 クリーニング業界向けに開発したシステムは年々改良を繰り返し、使いやすくなるようアップデートし続けています。


当時の資料(昭和5年頃発行)。特許を取得したインクに関する開発秘話が記されている。


昭和27年頃の懸賞広告。この後インクメーカーから大阪ライトインキが事業を引き継ぎ、インクメーカーとして新たな一歩を踏み出した。

製品紹介

 クリーニング事業者向けの資材をはじめ、現在では取り扱い事業者が極めて少ない、計測機器用のペンや特殊インクを用いた製品を取り扱っております。

クリーニング用サインペン

ドライ・ランドリー両用 特性サインペン

温水や一般的な漂白剤はもちろん、しみ抜き剤、前処理剤などクリーニング事業者用の溶剤でも書いた文字が消えないペン。
文房具業界からクリーニング業界へ販路が広がった革新的な一品。


  • 気象観測用ペン 写真
    気象観測用ペン

    温度・湿度を記録する際に使用されるペン。


  • ガス圧計用ペン 写真
    ガス圧計用ペン

    ボンベ内のガスの量や、ガス漏れの有無を分析し記録するためのペン。


  • ペンデコーダー 写真
    ペンデコーダー

    電圧計測からダムの雨量計、その他原子力発電所や風速計でも使用される汎用性の高い製品。


インクの効力

 実際にインクが落ちないのかを実験した表を社内に展示しております。他社の類似品では滲むことや見えなくなるといったことがありますが、弊社のペンにはそれがありません。昭和42年(1967年)の販売開始から調合方法を変えずに作り続けています。

インクの効力 比較表
社内の様子
社内の様子 社内の様子 社内の様子 社内の様子

 本社3階はインク工場となっており、インクおよびペンの生産と開発が行われています。
 20年ほど前は、現在の10倍近い発注がありましたが、アナログからデジタルへの移行など時代の流れもあり、以前よりもニッチな分野となりました。ですが、発電所のデータなど改ざんのできないように紙媒体での記録が必要だというお客様が多くいらっしゃいます。そのようなお客様のためにも、弊社は計測機器用のペンを現在でも生産し続け、データの記録を通じて日本の安全を支え続けています。
 江戸川区の本社以外にも全国5ヵ所に営業所があり、年に数回、展示会の出展や会議などで全国の社員が顔を合わせる機会を設けております。さらに、社員旅行も毎年行い社員同士の交流が深まるよう心がけています。

- インタビュー memo -

1976年当時のライトインキの製品写真 「1976年に刊行された漫画版ドラえもんの第11巻に弊社の製品が登場していました。」と、興味深いお話を聞きました。
「現在では珍しい光景となりましたが、かつてペン先にインクをつけながら文字を書いていた時代の必需品として、多くの方々に弊社の製品を認知していただいていたことが伝わってきます。」
国民的漫画の中にも登場した、自社製品への誇りをうかがうことができました。

80年以上企業が続いている秘訣や行っていることを教えてください。
昭和33年の東京営業所の写真

 『新しいことに積極的に取り組む』ということが、企業の成長だけでなく社員の成長にもつながると考えています。以前、縁あって400年続く企業の方のお話を伺ったことがあり、時代とともに事業内容を変えながら生き残ってきていると伺い、変化していくことの大切さを学びました。
 また、弊社は定期的にクリーニング業界向けの展示会に出展しており、『キャッチ―なものを出そう』をスローガンに、画像認識システムや自動番号認識システムなどクリーニング業界としては先進的なシステムを開発し、出展しております。今のところ爆発的なヒットを生む製品こそ出ておりませんが、展示会を通じて社員のスキルアップにつながっております。

印象的な出来事を教えてください。
お話しをする中村さん

 事業継承の出来事は、とても記憶に残っております。初代社長である祖父は、私への事業継承に関しては積極的でしたが、二代目の父は私に判断を委ねるとの考えでした。その後私が事業を継承すると決心し、準備は進めておりましたが、継承直後に父が急逝しました。
 当時は事業継承の準備はしていたとはいえ万全ではなく、私が社長に就任後もしばらくは引き継ぎなどでバタバタしましたが、昔からの社員に助けられなんとか乗り越えられました。
 また、父にお願いをしておりました、弊社の沿革や製品開発の逸話など社史の作成が現在も難航しています。

今後の展開についてお聞かせください。 藤田シェフ

 国内だけでなく、海外のクリーニング業界への進出強化を考えています。現在、韓国の企業とお取引は多くあるのですが、中国の企業とはお取引が少ない状況です。中国でのクリーニングの市場規模は年々成長を続けており、弊社も中国出身の社員に海外担当を任命し海外進出強化に向けて取り組んでおります。
 また、90年代末期に開発・発売した無人クリーニング機『マジックシェル』も好評をいただいております。働き方改革が叫ばれる昨今、24時間稼働の無人クリーニング機をはじめ、システム開発などの技術面から社会へ貢献していければと思います。


株式会社 ライトの皆さま
「えどがわ産業ナビ」インタビューにご協力頂き、本当にありがとうございました。

インフォメーション

株式会社 ライト 社屋外観
所在地
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東京都江戸川区西瑞江4-12
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