アオリイカの産卵を見て来ました

これからの時期、伊豆の海の中ではアオリイカの産卵シーンを見ることが出来ます

アオリイカは高級な寿司ねたでも有名らしく（残念ながら私は寿司屋さんで食べたことが無いので）、また釣り人にも人気のイカさんです。
彼らはセミよりもはるかに短いわずか１年の寿命で、次の世代に命をつなぐ大切な仕事がこの時期に行われる産卵なのです。

目が良くて警戒心も強い彼らにダイバーが接近することは普段はなかなかできないのですが、産卵という大仕事をしているときの彼らは子孫を残すことに夢中です。
だから上手に接近すれば我々の本当に目の前で産卵ショーを見ることが出来るのです。

産卵時期になるとアオリイカは体長も優に50cmを超しており、メスをめぐってバトルを繰り広げるオスのイカや、良い産卵場所を求めて必死のメスが、時に体の色を目まぐるしく変化させたり腕を大きく広げたりして目の前を行ったり来たりしながら泳ぐ様は何度見ても感動させられます。

そして、そんな彼らの仕事場となる水草などの下には何故か必ずと言ってよいほどウツボなどがいるのですが、これは仕事を終えて力が尽きたイカさんたちを待ち構えているのだと聞いたことがあります。
ちょと非情な感じもしますが、これも自然の掟なんですね。

そんな産卵ショーを今回は東伊豆の川奈の海の中で見てきました。
いつも思うことですが、こうして必死に命をつないでいる彼らの姿を見るにつけ、魚をいただくときは彼らの命に感謝して残さずにいただかなければいけないなと感じてしまいます。

ちなみに夏になると、こうして命のバトンを受けたチビイカたちが早くも編隊を組んで水面近くを泳ぐ姿が見られるようになります。
これからの海の中は、たくさんの生き物たちの新しい命でどんどん賑やかになっていく楽しい季節なのです。