生き物への礼儀
最終更新日:2023年06月04日
こんや鍼灸治療室
(平井1丁目)
患者さん宅で治療をしていた時につけたままのテレビから「このチキンは全て生まれて30日以内の鶏を使っているんですよ」「わあ、美味しそう」という若い女性の会話が聞こえてきて思わずゾッとしました。
いわゆる“企業案件”のようなコーナーらしかったのですが、その何も考えていない無邪気さに違和感を感じたのです。
ニワトリの原種はセキショクヤケイ(野鶏)といわれ寿命は5~10年位とみられています。しかし、当然ながらその寿命を全うする鶏はいません。
人工授精で大量に生まれるヒヨコは通常たった50日間の命なのです。
短期間で成長するように品種改変されたブロイラーの正確な寿命を知る者はいません。
食べられる為に生まれてきて、食べられる為に幼いうちに殺されます。豚も牛も羊も。
皮肉(!)にも地球上の動物で人間以外で最も数の多い上位の動物は全て人間に食べられる為だけに繁栄しています。
ニワトリは世界で200億羽が飼育されているといいます。食肉動物の次がペットの犬と猫です。
これだけ当たり前に大量に動物を繁殖させその肉を食べるという習慣も世界人口の増加とともに拡大しています。
目的は全く違いますが犬や猫は家族同様に愛情を注ぐ動物であり、鶏、牛、豚は食べるための動物。
といった当たり前のようになされる区別に人間のエゴが感じられてすこしの恐怖さえ感じます。
わが国では犬と猫合わせて年間5万頭が保護され殺処分されていますが、これも元はと言えば人間が経済活動として繁殖させているのです。
昔は番犬代わりでもありましたが、今の日本ではほとんどが愛玩目的です。その一方で殺されるペットを救おうという活動をしている人もいます。
また、馬(サラブレッド)も中央競馬、公営競馬という経済活動の為に生産され、速く走れない(勝てない)馬は処分されています。
金子みすゞの詩に「大漁」という詩があります。
朝焼け小焼けだ大漁だ 大羽いわしの大漁だ。
浜は祭りのようだけど 海のなかでは何万の
いわしのとむらいするだろう。
「童話」大正十三年三月号(西条八十選)
彼女の小さき生き物への優しい気持ちがよくわかります。
この様に80億にも及ぶ人間という動物の繁栄は何とも罪作りな犠牲の上に成り立っているのです。
参考:『 生き物の死にざま 』 稲垣栄洋 草思社
『 みすゞと雅輔 』 松本侑子 新潮社
基本情報
- 事業所名
- こんや鍼灸治療室
- ふりがな
- こんや はりきゅう いん
- 代表者名
- 鍼灸師 近谷 “ハリオ” 良平
- ふりがな
- こんや りょうへい
- 営業時間
-
月、火、水、金、土曜日 9:00~18:00
日曜日 午前のみ
祝祭日 午後のみ(12:00~18:00)
昼休みはありません
予約は1時間前までにお願いいたします - 定休日
-
木曜日
船堀での治療(船堀2丁目、貸しスペース)は日曜午後のみ
- 電話番号
- 03-3636-0050
- Webサイト
- https://s-thoughts.com/
- 問い合わせ
- 所在地
-
〒132-0035
江戸川区平井1丁目4−19 - アクセス
-
平井駅から京葉道路方向へ徒歩11分
小松川三丁目バス停からは徒歩3分(京葉道路から平井駅方向にバス通り右側を約150m) 歩行者専用横断歩道(信号)そば
☆日曜午後は船堀駅から徒歩5分(予約時にお問い合わせください)
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