高齢者の多剤併用問題と鍼灸
最終更新日:2023年09月20日
こんや鍼灸治療室
(平井1丁目)
江戸川区三療制度という75歳以上の区民が気軽に鍼灸マッサージを利用できる割引制度があるため多くの後期高齢者の来院があります。
また、高齢による体力低下や歩行困難で出張治療をする場合もあります。
通っていた患者さんが体力が低下し通えなくなって出張治療に移行する場合と、ケアマネジャーや医師、訪問看護師からの依頼がある場合は医師の同意を得て健康保険を適用して週一度程度の治療をしています。
患者さんや、在宅ではその家族が介護担当者(ケアマネ)や医療担当者(医師、看護師)に訴えることの基本、それは痛みや辛さをもう少しどうにかできないかということに尽きます。
歳をとって身体が衰えて行くのは致し方ないのですが、痛みをはじめとする体のあちこちの不具合を少しでも楽にしてほしいというのは当然だと思います。
しかし高齢者の場合、医師にしても引き出し(選択肢)はほとんど薬物治療一択です。
例えば解りやすいところで「腰下肢痛」の痛み止めですが、患者さんは慢性腰痛のケースが多いのでNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の段階ではないので胃に負担のかかるロキソニンが長期に使われることは少なく、セレコキシブ(セレコックス®)単独や他の薬と合わせて使われることもあります。
痛みの強い下肢症状にはプレガバリン(リリカ®)、ミロガバリン(タリージェ®)が使われるのですがこれでコントロールできない痛みになるとデュロキセチン(サインバルタ®)やトラマドール+アセトアミノフェン(トラムセット®)といった感じでしょうか。
デュロキセチンはSNRIといって抗うつ薬なのですが強い痛みにも抑うつ症状にも脳に作用して楽にする働きという意味で効果があるということです。
しかし、そういう薬効なので「頭がぼーっとするのよ」と副作用を訴えて治療を求めてきた患者さんがいました。強い薬なのでそういうことなのです。
3年前に日帰りのそけいヘルニアの内視鏡手術をした時、全身麻酔から覚めてすぐトラムセットを出され「お、これがトラムセットか、そりゃそうだよな」と思いました。その約一時間後にはもう帰宅のため駅に向かって歩いていました。
足のツレには血行を改善する働きのリマプロストアルファデクス(オパルモン®)を処方されることもありますが個人的には患者さんの反応は良くありません。
それは動脈硬化や血行障害でそういった症状が起きているのではなく、ほとんどが坐骨神経の根症状や脊柱管狭窄症が起因しているからなのだと考えています。
ここでもう一つ引き出しがある漢方を使う医師の場合は芍薬甘草湯や牛車腎気丸、その他「証」に合わせた処方などの選択肢があります。
しかし、これでもやはり長い時間をかけて進行悪化してきた腰下肢痛というのは薬の副作用も含めてなかなかコントロールできず、最終的にその一部の患者さんは「鍼灸で何とかなりませんか」という相談になるのです。
確かにこのレベルの患者さんですから著効というのはそんなに多くありません。しかし、リスクも副作用もなく鍼灸が嫌いなら仕方がありませんが・・・いや、嫌いでも効果はあります。→【鍼は嫌いだが逆に効果あり】(2023.3.6UP)【しょうがないから鍼灸治療】(2021.10.24UP)ともにハリオブログ https://s-thoughts.com
もし満足できる効果まで届かないにしても、痛みのレベル、痛み止めの強さ、薬の量を減らすだけでも生活の質は改善します。
その為にも介護者にも医療者にも患者さんにも鍼灸治療をもう一つの選択肢に加えていただきたいと思うのです。
基本情報
- 事業所名
- こんや鍼灸治療室
- ふりがな
- こんや はりきゅう いん
- 代表者名
- 鍼灸師 近谷 “ハリオ” 良平
- ふりがな
- こんや りょうへい
- 営業時間
-
月、火、水、金、土曜日 9:00~18:00
日曜日 午前のみ
祝祭日 午後のみ(12:00~18:00)
予約は1時間前までにお願いいたします - 定休日
-
木曜日
- 電話番号
- 03-3636-0050
- Webサイト
- https://s-thoughts.com/
- 問い合わせ
- 所在地
- 〒132-0035
江戸川区平井1丁目4−19 - アクセス
-
平井駅から京葉道路方向へ徒歩11分
小松川三丁目バス停からは徒歩3分(京葉道路から平井駅方向にバス通り右側を約150m) 歩行者専用横断歩道(信号)そば
☆日曜午後は船堀駅から徒歩5分(予約時にお問い合わせください)
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