糖尿系の人は白ごはんが好き その2
最終更新日:2024年12月13日
こんや鍼灸治療室
(平井1丁目)
前回の続きですが、先にタイトル回収をしておきます。
30年の鍼灸治療の臨床経験から言えることは糖尿病の患者さんに食生活を尋ねてみると白米が大好きという人が多かったという個人的印象、主観的感想ということです。
「新米がもう楽しみで」とか「ご飯に塩を振って食べるのが美味しくて」とかそんな感じでした。日本人ですから当然と言えばそれまでですが。
そして中高年層が多いということもあってあまり体を動かさない、動かせない、運動をしない人、運動習慣がない人という感じでした。結局こちらの要因の方が大きいのでしょう。
世界的にも糖尿病患者は急速に増えています。日本人アジア人は欧米人と違って肥満とされるBMI25以上の人の割合は少ないのですが逆に糖尿病にはなりやすい体質なのです。
肥満傾向の人は見た目でわかるので注意を促すことができるのですが、高血糖に関しては血液検査ですぐ判りますが初期から中期は全く症状が無いので本人が注意し対処しなければそのまま糖尿病へと移行していってしまいます。
『肥満の科学』で著者は砂糖(特に果糖)の取りすぎが全ての原因であるとしているのですが、砂糖の他にも高GI(グリセミック・インデックス)食品や塩分の多い食品やうまみ食品もサバイバルスイッチを活性化させるとしています。
高GI食品とは食後2時間経った時点で血糖値を上昇させる能力を数値で表したもので、ブドウ糖は100、全く上がらないものは0で一般的な高GI食品はパン(特に白パンは71)、コメ(特に白米は73)、イモ(ベークドポテトは100)、シリアル(コーンフレークは80)などがあります。
高塩分食も体内での果糖産生を刺激することにより、肥満やメタボリック症候群を引き起こすことがマウスでの実験で判っています。
塩分はノンカロリー物質なのですが、血液中の塩分濃度の上昇招くことによってそれが脱水症状を作り出し、それでサバイバルスイッチが入ることによって脂肪蓄積の重要な刺激となるとしています。
誰もが安全だと思っていた味覚であるうまみ食品(グルタミン酸など)に関してもスイッチを活性化させることがマウスの実験で分かっています。
これらの食品はすべてエネルギー枯渇経路に関与し結果としてサバイバルスイッチを活性化させることで脂肪を増やし、肥満やメタボリック症候群をもたらすということです。
では対策としてはどうしたらいいのでしょうか。
食後の急激な血糖の上昇の繰り返しが体にとって良くないとされていますが血糖やHbA1cの気になる方は高GI食品の量を抑えることで対応できます。
まず食事はゆっくり食べる、玄米、胚芽パンにするなど白い炭水化物を控える、且つ炭水化物そのものの摂取量を減らす、できるだけ後から炭水化物を食べるなどが挙げられます。
たんぱく質を食べるとGLP-1、脂質を食べるとGIPというホルモンが小腸から分泌され、これが満腹感を感じるホルモンであり、血糖上昇にブレーキをかける働きがあります。
実際に食欲抑制効果で何かと話題になったGLP-1受動体作動薬という糖尿病治療の薬がありますが、これを文字通り“自腹”で賄えという話です。先に脂質やたんぱく質をゆっくり食べればそれでいいのです。
デュアルGIP/GLP-1受容体作動薬の効果も注目されています。製薬会社は様々な果糖代謝を阻害する薬剤を開発中です。甘くてオイシイ領域でもあるのです。
塩分に関しては血圧上昇を抑えるという意味からも控えたほうがいいのですが肥満、高血糖にとっても大切だということです。
実際SGLT2阻害薬という糖尿病のために認可された薬がありますが、この薬を使っている患者さんが心臓や腎臓に関してもいい状態が維持できていることが分かってきて今では心臓病や腎臓病においても積極的に処方されています。
Sodium(ナトリウム)GLcouse(ブドウ糖)coTranseport2(共役輸送体2)阻害薬という尿中の糖を再吸収する働きを阻害して排出してしまうことで血糖を下げる薬なのですがこれが塩分も排出するので心臓や腎臓ひいては体全体にいい影響をあたえているのです。
血糖の問題はインスリンを分泌する膵臓に働きかけるよりも吸収する小腸や腎臓に関与した方が体に負担がかからないという認識になっています。
もちろんそれ以前に食事内容、食習慣という大前提があるのですが。
基本情報
- 事業所名
- こんや鍼灸治療室
- ふりがな
- こんや はりきゅう いん
- 代表者名
- 鍼灸師 近谷 “ハリオ” 良平
- ふりがな
- こんや りょうへい
- 営業時間
-
月、火、水、金、土曜日 9:00~18:00
日曜日 午前のみ
祝祭日 午後のみ(12:00~18:00)
予約は1時間前までにお願いいたします - 定休日
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木曜日
- 電話番号
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