脊柱管狭窄症の手術後
最終更新日:2025年03月13日
こんや鍼灸治療室
(平井1丁目)
この仕事を30年やっていると鍼灸治療という仕事ゆえの医療に関する印象、考え方でいろいろなバイアス(偏り)がかかってしまいます。
その中の一つに脊柱管狭窄症の手術はやめたほうがいい、というのがあります。正確に言うとやめたほうがいいと思っていた、になりますが。
何しろ以前は脊柱管狭窄症を含む「腰の手術」後の患者さんにおいて鍼灸治療で(腰の症状を)改善できたという経験をすることが修業時代を含めて一度として無かったからです。
このバイアスは、そもそも「腰の手術後に(腰の治療で)鍼灸院に来る患者さん」というのは当然ながら手術をしたけれど望んだ結果にはなっていない人しか来ないということに由来しています。
満足していたらわざわざ整形外科の手術から下位互換の鍼灸治療を選択することなどあり得ないからです。
背中から腰まで痛々しい長い傷跡が残り、すべり症などは固定術で腰椎を補強しているので中の構造が判らないので通常の治療とは違ったものになりますし、効果はとても限定的なものでした。
病院では手術は成功ですと言われ、リハビリテーションのあとは痛み止めなどの服薬しかありません。
昨年も脊柱管狭窄症手術の後遺症で片足にまひが残りリハビリ専門病院に入院した後に紹介で来院した方もいましたが結果を出せませんでした。
電話で「手術後なのですが」と治療の問い合わせが時々あるのですがその場合も、経過時間にもよりますが効果があってもそれは直後効果のみで腰下肢の症状(特に痺れなどの神経症状)に関してだけ言えば今まで改善したことがないと正直にお伝えしています。
しかし、そんな印象が固定していたのですが当院にも遅ればせながら15年近く前あたりから何人かの手術してよかったという患者さんが来院するようになりました。
例えば、すべり症もありプレートとボルトの固定術ですが普通の生活をしていて、忙しかったりしゃがみ作業をしたりすると腰下肢痛が出現するので、肩凝りを含む全体治療を求めて来院している、60歳代に手術をした現在70歳代の女性の例もあります(傷跡は腰部左右に1㎝程度が3か所ずつ)。
もう一人はこの1月に手術をした患者さんの話です。起床時の腰と殿部痛から整形外科(プレガバリン→タリージェ)と当院の併用で5年間現状維持でしたが昨年末、急速に悪化し専門病院で脊柱管狭窄症と椎間板の膨隆(脱出はしていないが神経に当たっている状態~急性症状の原因はこちらか)と診断されました。
2回の神経ブロックも効果なく、発症一か月後に5日間の入院で内視鏡下腰椎椎弓切除術(MEL)をしました。そのまた一か月後の今月に来院し鍼灸治療を再開。
腰の症状はすっかり無くなっていたのですが以前から定期的に健康管理として鍼灸治療を好んでやっている人なので肩が張り背中が凝るということで来院しました。
確認すると第5腰椎辺りの正中に1.7㎝の傷跡があるだけでした。低侵襲手術の進化を感じると同時に、以前からずっと知りたいと思っていた腰(特に脊柱管狭窄症)の手術後の“患者満足度”は確実に上がっているのを感じました。
後遺症でまひが残った方もいる様に、こればかりは個々の状態(症状、術式、罹患期間など)によって差が大きいので何とも難しいのですが20年前の痛々しい傷跡の患者さんを何人も見てきた者にとっては効果を含め隔世の感があります。
以前は腰下肢痛の患者さんに対して鍼灸治療からの手術は当然ありますが、手術からの鍼灸治療はあり得ないものと思ってきました。
しかし、このような内視鏡による腰椎や筋肉など軟部組織のダメージの少ない腰椎の手術後の患者さんが何人か来院するのを見るにつけ、鍼灸治療をする側もそれに対応した見立て、治療が求められるようになっているのを感じています。
基本情報
- 事業所名
- こんや鍼灸治療室
- ふりがな
- こんや はりきゅう いん
- 代表者名
- 鍼灸師 近谷 “ハリオ” 良平
- ふりがな
- こんや りょうへい
- 営業時間
-
月、火、水、金、土曜日 9:00~18:00
日曜日 午前のみ
祝祭日 午後のみ(12:00~18:00)
予約は1時間前までにお願いいたします - 定休日
-
木曜日
- 電話番号
- 03-3636-0050
- Webサイト
- https://s-thoughts.com/
- 問い合わせ
- 所在地
- 〒132-0035
江戸川区平井1丁目4−19 - アクセス
-
平井駅から京葉道路方向へ徒歩11分
小松川三丁目バス停からは徒歩3分(京葉道路から平井駅方向にバス通り右側を約150m) 歩行者専用横断歩道(信号)そば
☆日曜午後は船堀駅から徒歩5分(予約時にお問い合わせください)
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