「田井塾」江戸川のほとりにて-祈りの心(7-1)2022年08月06日
********** 「田井塾」:江戸川のほとりにて-祈りの心(7-1)- **********
☆人はこの世に存する限り、人としてプロである。人は勉強を手段として己の心に「泉」を見出し、いつしかそこに「美」の映える知る。これをして彼方に「像」を予感し、それを求めて今を生きる。☆
・・・・・序奏・・・・・
●レクイエムニ短調K.626●
-W.A.MOZART-
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●江戸川のほとりにて-詳説「時空間論」7(1)-●
7:アフィン接続係数(1)
<大切な用語>
アフィン接続場、接続、内部場、アフィン接続空間、テンソル、交換法則、測定単位、次元、反変添字、共変添字、
これは数学的に立証されたことですが、アフィン接続場が空間のそれぞれの地点に対して明らかである場合、この空間に関してはすべてが明白なので、したがって接続とつじつまの合わないいかなる補足的な構造も空間に導入出来ません。空間の任意の内部場ないし内的関係はΓ<i>[jk]の場から求められます。
もちろん、別の補足的な構造が、未知の点関数の場と見なされるアフィン接続空間に存在出来ますが、しかしこの場合は接続に対してつねに特別な条件が付けられています。つまり、アフィン接続空間における補足的構造は、接続の特別の性質を書き込んだ結果なのです。
この研究法は理想的な測定法をベースに私達が仮説を立て、議論を展開する場合と似ています。つまり、私達は仮説を土台に可能な対象をことごとく測定し、そして物理学的体系を科学として完成させているのです。こうして私達は実在世界の適切なモデルを手にしているわけです。議論を続けましょう。
つまり、アフィン接続は物理的な世界を理想的に描像する上でもっとも重要な構造です。ですから、私達はこの性質を注意深く議論しなければなりません。
まず、これはテンソルではありません。Γ<i>[jk]は次の定義式(変換の法則)にしたがって変換されます。すなわち、
Γ<i'>[j'k']=∂<i'>[i]∂<j>[j']∂<k>[k']Γ<i>[jk]+∂<l>[j']∂<m>[k']∂<2i'>[lm].・・・(1)
ここで、∂<i'>[i]は∂x<i'>/∂x<i>、∂<2i'>[lm]は∂<2>x<i'>/(∂x<l>∂x<m>)を意味しています。このような表記の仕方をすると式を簡潔に出来るので、これからもさらに∂/∂x<i>を∂[i]、∂φ/∂x<i>をφ[,i]と表記することによって簡潔化を図ってまいりましょう。
さて、アフィン接続係数の物理学的意味ですが、これは次の定義式から明らかです。まず、おさらいすると、
{E<i>[j]}[μ]=-Γ<i>[jk]e<k>[μ],あるいは、de<i>[μ]=-Γ<i>[jk]dx<j>e<k>[μ].
つまり、この式からアフィン接続係数は点から点に変位するさいの測定単位の相対的変化の速さであることが分かります。それぞれの成分の次元は類似の構造の(反変添字を1つと共変添字を2つ持った)テンソルの成分と同じです。ただし、さまざまな座標系の中で接続は実在世界のさまざまな測定単位、さまざまな対象の変化を記述しています。ですから、接続はテンソルではありません。
テンソルとテンソル密度は(さまざまな測定法を使って)実在世界の同じ対象をいろいろな観点から特徴付けています。これに関して、実は、必要があってスケールの相対的変化を使って研究している時、あらゆる可能な関数の中から指数関数が求められたことがあります。これは教訓的です。
アフィン接続係数はある程度の任意性もなく直接測定することは出来ません。それから、上記変換の法則(1)から、観測者が1人では意味がないことが分かります。なぜなら、一方のスケールを他方のスケールで測定すると、前者のスケールのポテンシャル的可変性が実在的可変性に変えられ、そしてこの前者のスケールの中に新しいスケールの潜在的可変性が導入されるからです。
私達はこれ以外を期待することは出来ません。なぜなら、この構造は、点の変化による測定単位の振る舞いに必然的な不確定性が反映しているからです。もちろん、与えられた座標系における接続を間接的に決定する方法があります。しかし、一方のスケールだけだと、接続の不確定性は除去されてしまいます。もし接続対象の場が空間領域のいたる所でゼロに等しくなるような測定法があったとすると、これは絶対に変化しないスケール系が存在することを意味しているのです。
すべての座標系がある線形変換の方法で得られた系の集合を特徴としているとき、時空間はアフィン空間になっているわけです。とは言え、私達の実在世界がこのようになっていないことは明らかです。
※議論はまだ続きますが、1つの区切りとして、ここで「要約」をさせていただきます。
「要 約」
アフィン接続場が空間のそれぞれの地点に対して明らかである場合、接続とつじつまの合わない補足的な構造を空間に導入出来ない。この場合、空間に関する内的情報は場(接続係数)Γ<i>[jk]から求められる。一方、アフィン接続空間が未知の点関数の場と見なされる場合、別の補足的構造を空間に導入出来るが、この場合は、接続に対して特別な条件が付けられる。つまり、補足的構造は接続の性質によって特徴付けられている。
アフィン接続係数は点から点に変位するさいの測定単位の相対的変化の速さを表わしている。この成分の次元はアナロジーな構造のテンソルの成分と同じであるが、ただし、接続は上記のように対象の変化等を記述しているのでテンソルではない。なお、アフィン接続係数を厳密に直接測定することは出来ない。なぜなら、測定する時に測定単位の振る舞いに不確定性が発生しているからである。
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