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科学啓蒙作家の塾「田井塾」

「田井塾」:中小企業庁講師-中小企業の存在意義-2021年09月16日

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 この世に存する限り、人は人としてプロである。人は勉強を手段に己の心に「泉」を見出し、いつしかそこに「美」が映えるを知る。これをして彼方に「像」を予感し、それを求めて今を生きる。-田井-


・・・・・ 序 奏 ・・・・・

●ドビュッシー●・・・・・「月の光<ベルガマスク組曲より>」

********** 「田井塾」夢実践:経済産業省中小企業庁講師-中小企業の存在意義- **********

●対称性の概念●

 自然界の現象の中に真理を見出すための手段として科学者たちは「対称性」の概念を使っています。これは研究対象の中に観測される現象に幾何学的な概念である「対称性」を対応させることによって直感的に真理を予測することが出来るからです。予測した段階で「仮説」を立て、これを土台とすることによって観測現象を理論的に体系化して行く作業が始まるのです。「対称性」は真っ暗闇のトンネルで研究を続ける科学者を導くカンテラであって、それはそれほどに便利なとても貴重な概念なのです。
 この概念は小学生時代に画用紙を半分に折って、右側半分に絵の具で図や絵を描き、そして折り目を中心にして左側半分に折り重ねることによって出来る「線対称」な図形のイメージの延長線上にあります。
 たとえば、宇宙空間を光速で疾走している粒子を私達観測者がロケットに乗って追い掛けているとしましょう。この時、私達から見て、粒子は時計回りに自転しているものとします。しばらく経ってもう一度この粒子を観測すると、何と、それは今までと反対の反時計回りに自転しているのでした。
 いつ観測しても時計回りに自転しているのであれば、つまり「同じ状態にある」のであれば「観測に対して対称な状態にある」と言えます。ところが、自転が反時計回りに変化したということは、状態が変化したことであって、科学者はこれを「対称性の破れ」と言っています。どうして、このような現象が起こったのでしょう。ここで出て来るのが「仮説」です。
 ここで出された有力なアイデアの1つとして次のようなものがあります。それは「この光速で疾走している粒子が、質量を持って重くなったからだ」ということです。質量を持って重くなり、運動量保存の法則によってスピードが落ち、その結果、私達のロケットがこの粒子を追い越してしまったからだと。つまり、私達が後ろを振り向いて、この粒子の自転を観測した場合に相当する現象が観測されたというわけです。
 何と小学生時代に学んでいる「対称性」の概念を応用して、科学者たちは138億年前の「ビッグバン」で発生した光速粒子が質量を持つ過程を解明しているのでした。

 ●プラトンの「イデアの世界」-その普遍性-●

 実は、この対称性の概念は紀元前3,4世紀頃に活躍したギリシャの哲学者プラトンが考えた「イデアの世界」が源になっています。この世界には私達が知識として持っている概念やこれから発見されるであろうすべての知識が抽象的な形で「原型」として存在しているのです。
 たとえば、プラトンと少年との次のような会話に耳を傾けてみましょう。
 ・・・
 -ネ、プラトン、このイデアの世界にはボクたちの知っているものは何でもあるって、本当なの?
 -そうなんよ。あるんよ。試してみ。
 -じゃね、ハナはどこにあるの?
 -あのな、自分でボタンを押さんと。「は」、「な」って。
 -この「鼻」じゃないよ。ウソじゃん。
 -自分の知りたいんのが出るまで押さんと。
 -あ、本当だ。
 -やろ。
 -じゃね、もし押しても出なかったら、どうする?
 -あんな、ボクの知りたい「花」がな地球上にあるってことはな、イデアの世界にその元となる形がよ、つまりな原型(げんけい)ちゅうもんがなかならずあるってことなんよ。「ハナ」の原型がな地球上でな具体的な「花」となって姿を現しとんや。
 -ネ、プラトン、じぁ、あれ、それって地球上にあるものだったら、その元がそこにかならずあるってこと?
 -そうなんや。そればかりじゃないんよ。あのな、これから発明されたりな、発見されたりするもんのな原型もあるんよ。
 -それじゃ、科学者や研究者はそこに何があるか予言していることになるじゃん。
 -そうとも言えるんよ。ワシら人間がな頭で考えられることは何でもな、その原型がな、そこにあるってことやさかい。けどな、たくさんの人がテストしてよ、否定されんばこそな、予言なんよ。ほら、ピッ、ピッ、ピッ、って試してみ。
 ・・・
 ここで、少年とプラトンとの間の会話の内容を利用させていただくと、つまり、私達人間の誰もが頭に浮かぶものを指し示すと、その原型がイデアの世界にかならず存在しているのです。言い換えると、私達人間の知識に関してイデアの世界は「対称な状態」になっていると言えます。しかも、この世界は私達によって発見されたり発明されたりするものを自動的に取り入れ、自然に変化するようになっているのです。これはこの世界が絶対的ではなく、つねに相対的な状態にあることを意味しています。したがって、イデアの世界はあらゆる場面で矛盾することなく応用出来る「普遍的」な存在と言えるわけです。
 
 ●中小企業の存在意義●

 ここで、プラトンの「イデアの世界」に日本の「企業集団」を対応させてみましょう。すると、日本に存在する大、中、小企業の1つ1つがこの「企業集団」の状態を知るための大切なパラメーターの役割をしていることが分かります。
 ある時、私の塾に通っているお子さんが「うちは小さな会社だから恥ずかしい」と言いました。私はこの時「会社は大きい、小さいではないよ。働いている人を通して、その人の家族をも守るという役割を果しているなら、それだけで立派な会社なんだよ」と答えました。小企業は小企業なりに1本のパラメーターに生きるための緊張感を込めて経営しているのです。
 最近の新聞社説「体質強化策の検討は丁寧に(中小企業支援)」(読売新聞.2020.11.28.)はこう語っています。
 中小企業の経営体質強化は、日本経済の大きな課題だ。政府は、技術や雇用の維持に配慮しながら、丁寧に対応策を検討する必要がある。抜本的な経営基盤を強めることを目的として、合併・買収(M&A)を活用することも有力な選択肢だ、と。
 ここで中小企業の数が多すぎ、淘汰していくべきだ、との極端な意見も紹介されています。もちろん、やみくもに、淘汰や再編を進めることは避けるべきだ。業界や各地域の事情に目配りした、きめ細かい施策が望ましい、ということも強調されています。
 これは明らかなことですが、小企業は生き残るだけの特殊な能力、技術を持てばこそ小企業として存在しているのです。戦後今日に至るまでの経済発展の原動力としてこうした小企業も多大なる貢献をして来ているのです。こうした企業の数が多ければ多いほど日本の「企業集団」は真理としてのきめ細かな「対称性」に漸近していくことを忘れるべきではないと思います。補足すると、「対称性」と「多様性」は概念的には同義語なのです。

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