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科学啓蒙作家の塾「田井塾」

「田井塾」:創立50周年企画・試訳「空間論11」 2020年05月24日

「田井塾」:創立50周年企画・試訳「空間論11」  関連画像1
・・・・・・・・・・「田井塾」:創立50周年企画・試訳「空間論」への招待・・・・・・・・・・

・・・・・ 序 奏 ・・・・・
●-C.Danvers,C.Sigman-・・・「 TILL 」(「愛の誓い」)

※田井塾はおかげ様で令和3年5月で創立50周年を迎えます。これを契機として2005年に発表した時間論『時間の不思議』(東京図書)に続いて「空間論」を発表する計画を立てていました。しかし、能力的な限界により資料整理がなかなか進まず、そのため、ロシアで発表された「空間論」を翻訳する活動に切り換えさせていただきました。関心のあります方を求めて、その下訳をまずここに発表し、緊張感を高めてまいりたいと思います。なお、この活動は塾での指導の合間を見て行っているため、かなりゆっくりしたペースになっています。また、内容に矛盾がありましたら、訂正までお待ちください。

●● 試訳としての「空間論」への招待-その11- ●●
 
 さらに話を続けると、ψ関数を局所的に考察することはできますが、しかし、この場合、ある地点でただ一つの一定値を持つスカラーΔ密度としてではなく、場の中で行われるあらゆる可能な限りなく小さな変位の多数の値を持つ汎関数として考察されねばなりません。測定法(座標系)が変化すると、それぞれの汎関数の値はスカラーΔ密度として変換されます。時空間における点の関数として限りなくわずかに変位する場は、ある領域で積分される関数としての時空間、つまり、任意のひじょうになめらかなその時空間の経路と一致しています。このように、私たちの実在世界の描像には一般的な関数、ないし分布関数が使われることになりますが、ただ、これらの用語を区別せず使いますのでご注意ください。
 前回(「その10」で)縮約された接続対象から「スカラー」位相と振幅を導きましたが、この他に実在世界を記述するためには、接続の全対象から派生する行列に関連するより複雑な式、つまり、 ∫δθ<i>[k]=∫Γ<i>[jk]dX<j>
型の「行列」位相と
 ψ(t)=ψ[0]exp∫Γ<i>[jk](t)(dX<j>[1]/dt)(t)dt
型の振幅(状態ベクトル)を使わねばなりません。なお、確認しますが、Γ<i>[jk]の<i>はiがΓの上付きであること、[jk]はjkがΓの下付きであることを意味しています。
 さらに、接続から派生する重要な幾何学的対象として、曲率テンソルR<i>[jkl]、その縮約型、スカラー、および、これらの式や場合によっては限りなく小さな変位を使って組み立てられたスカラーΔ密度などがあります。
 曲率テンソルR<i>[jkl]は、次の式を使うことによって接続係数から求められます。すなわち、
 R<i>[jkl]=∂[j]Γ<i>[kl]-∂[k]Γ<i>[jl]+Γ<i>[jp]Γ<p>[kl]-Γ<i>[kp]Γ<p>[jl].
なお、確認しますが、∂[j]は∂/∂X<j>を意味しています。
 このテンソルは明らかに下付き添字の組{j,k}に関して反対称をなしています。これを接続の対称成分の曲率テンソルR(-)<i>[jkl]とねじれによって発生する2つのテンソルT<i>[jp]T<p>[kl]と∇(-)[j]T<i>[kl]、およびその反対称成分を組として導き、そしてこれらを和として表すことができます。すなわち、
 R<i>[jkl]=R(-)<i>[jkl]+∇(-)[j]T<i>[kl]-∇(-)[k]T<i>[jl]+T<i>[jp]T<p>[kl]-T<i>[kp]T<p>[jl].
 ただし、演算子∇[j]は、普通の偏微分係数と一般的な導関数との間の関係のように、共変(絶対的)導関数が共変微分(下記式参照)と同じ関係にあることを示すために使われています。また、∇(-)[j]は、接続の対称成分Γ(-)<i>[jk]に関して微分することを意味しています。なお、ここで言う共変微分の式を確認としてもう一度記すと次のようになります。
 De<i>[μ]=de<i>[μ]+Γ<i>[jk]dX<j>e<k>[μ]=0.
 また、縮約曲率テンソルが2つ存在しています。反対称テンソルとリッチのテンソルがそれで、式として次のように表されます。
 まず、反対称テンソルは、
 F[jk]=R<p>[jkp]=∂[j]Γ[k]-∂[k]Γ[j]=F(-)[jk]+T[jk],
 F(-)[jk]=∂[j]Γ(-)[k]-∂[k]Γ(-)[j]
 および、T[jk]=∂[j]T[k]-∂[k]T[j].
 それから、リッチのテンソルは、
 R[kl]=R<i>[ikl]=∂<i>Γ<i>[kl]-∂<k>Γ<i>[il]+Γ<i>[ip]Γ<p>[kl]-Γ<i>[kp]Γ<p>[il]
  =R(-)[kl]+∇(-)[k]T[l]+∇[p]T<p>[kl]-T<i>[kp]T<p>[il]
  =R(-)[kl]+∇(-)[k]T[l]+∇(-)[p]T<p>[kl]-T[p]T<p>[kl]-T<i>[kp]T<p>[il].
 なお、上記R[kl]の式の最後の2行は、いくつかのテンソルの和を取ることによって、リッチのテンソルが不変であることを表示しています。
 また、対称成分r[kl]と反対称成分a[kl]の和を取ることによっても不変性を表示することができます。
 すなわち、
 R[kl]=r[kl]+a[kl].
 
 この続きは次回をお待ちください。
 
●●●●●●●●●● 今日も一日感謝の心で ●●●●●●●●●●
 


 
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