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「田井塾」科学啓蒙作家:-真理を求めて(12)-

最終更新日:2026年08月20日

科学啓蒙作家の塾「田井塾」
(北小岩3丁目)

 
    序 奏
  ●ドランの微笑●
・・Richard Clayderman・・

**「田井塾」科学啓蒙作家:-真理を求めて(12)-**

 ・少年 ・・・ 先生、今日は前回の続きですね。
 ・私  ・・・ はい、そうです。前回は地球と木星との距離が
最小の時についての議論でした。ですから、今日はこれら
の間の距離が最大である場合について考えるね。
 ・少年 ・・・ はい。ちゅうことは、この図で言うと、地球が
C地点にあって、木星がこれまで通りB地点にある時だと
思います。これで合ってますか?
 ・私  ・・・ はい、いいですね。
 ・少年 ・・・ この図から、木星と地球の距離が最大っちゅう
ことは、地球と太陽と木星が一直線に並んだ時だってこと
が分かります。
 ・私  ・・・ その通り。つまり、この図のように地球、太陽、
木星が一列に並んだ時に、衛星イオが木星のa地点から顔
を出してb地点に達するまでの時間を望遠鏡を使
って観測すればいいわけだ。しかし、こ
こに大きな問題があるんだな。
 ・少年 ・・・ フムフム、エーッと、何だろう。

 ・私  ・・・ いいかな、図を何度も書き直したりすると、その
過程でヒントが浮かんで来て、これによって問題が自然と解
決することがよくあるんだ。繰り返しは大切だよ。
 ・少年 ・・・ 図の中にヒントが隠されてるんすね。
 ・私  ・・・ そう。アインシュタインがね、「本当の研究者は
幼少の時から幾何(図形)を楽しむ素質を備えて生まれて来
ている」と言っているくらいなんだ。
 ・少年 ・・・ 小さい時から図形を楽しむっつて、信じられない
す。本当にそんな人いるんですか?
 ・私  ・・・ もちろん、そこには例えも入っているでしょうけ
ど、つまり、小さい頃からいつもいろいろな図形に苦もなく
無意識に接して遊べるような子供が大きくなったら
科学者になる可能性があるってことかな。 
 ・少年 ・・・ ちゅうことは、図を描いて遊んだりしない子は、
科学者にはなれないってことですか。
 ・私  ・・・ ウーン、そのように決めつけるのはどうかと思う
んだけれど、たとえば、アインシュタインの時代はまだパソ
コンなど便利なものがなかったから、問題を解決す
ためには図を何度も描いたり消したりしな
がら、工夫して考えねばならなか
ったんだね。
 ・少年 ・・・ ちゅうことは、科学者になるには小さい頃からそ
うやっていつも図形を使って遊ぶくらいの能力が必要だって
ことですね。
 ・私  ・・・ アインシュタインの時代は、例えとして、それほ
どの才能が必要だと考えられていた、ということだね。

 ・私  ・・・ たとえば、私たちの場合を考えてみようか。今問
題にしているのは木星と地球の間の距離が最大の時だね。こ
の場合はねカッシーニもレーマーも問題を解決する
のにかなり苦労しているんだ。どうしてか、
分かる?
 ・少年 ・・・ フムフム、・・・、かなりむずい、かな?
 ・私  ・・・ この図をよーく見てごらん。キミは観測者だよ。
今度はキミは地球Cのどっち側に立って観測することにな
るかな?
 ・少年 ・・・ フムフム、・・・、あっ、そーか、うっかりで
した。地球の昼側に立って、木星を観測することになります。
 ・私  ・・・ つまり?
 ・少年 ・・・ ちゅうことは、太陽の光がまぶしくって、木星を
観測出来ません。
 ・私  ・・・ その通り。つまり、たとえば、カッシーニは生涯
を掛けて衛星の運行を観測し、これを表に整理し続けている。
そして、ここだね、太陽の光でまぶしくて観測出来
ない部分は、図形を描いて推測し、運行表
から分かる部分をベースに数学的
に解決したんだよ。
 ・少年 ・・・ ちゅうことは、カッシーニは太陽の周りの地球の
軌道を円として考え、これに関する図形の性質を使ってまぶ
しくってどうしても観測出来ない部分、エーッと、
 ・私 ・・・ そう、つまり、ここの図で言うと、太陽の中心Oを通
る地球の軌道の直径ACを光が通る時間をグラフを使ったりし
て、あと、これは高校の数学で習うことだけれど、三
角比などもフルに使って、こうして最難関の
直径の部分の問題を解決したわけだ。
 ・少年 ・・・ この頃は計算機はもちろん、パソコンもなかったか
ら、あれですよね、本当にいつも図形をいろいろといじくり回
していたから解決出来たんですね。
 ・私  ・・・ そう、こうして本当に苦労した結果、カッシーニは
、今度は衛星イオがa地点からb地点まで進むのに掛かる時間
と光がb地点からC地点まで進むのに掛かる時間を足
した値を求めることが出来たんだよ。
 ・少年 ・・・ フムフム、ちゅうことは、前に地球と木星との距離
が最短の時に掛かる時間を□分としたから、ここでの最大の時
に掛かる時間を△分としてもいいすよね?
 ・私  ・・・ そうですね。そうしましょう。

 ・私  ・・・ あのね、本来なら切りがいいのでここでストップし
たいんだけれど、ここで説明を加えないとまったく意味がない
ので、少し延長させてもらうよ。
 ・少年 ・・・ はい、何すか?
 ・私  ・・・ 実はね、カッシーニは「地球と木星の間の距離が最
大の時、衛星のイオが木星の裏側に入る時間が22分遅れてい
る」と言っているんだけれど、この場合だと、観測者
のキミは、イオがa地点からd地点に来るま
でに掛かった時間を測定しているこ
とになるんだ。
 ・少年 ・・・ フムフム、なるほど。
 ・私  ・・・ もう一度繰り返すとね、この場合はイオがa地点か
らd地点まで来るのに掛かった時間と光がd地点から観測者の
キミが立っているC地点まで来るのに掛かった時間を
足した値を求めていることになるんだ。
 ・少年 ・・・ フムフム、ちゅうことは、カッシーニは、dC間の
距離を光が進む時間を測定し、この時の場合の時間を△分と
してる可能性があるってことですね。
 ・私  ・・・ そう。つまり、このようなケースも否定できないと
いうわけだ。
 ・少年 ・・・ フムフム、ちゅうことは、エーッと、つまり、式に
すると、△-□=22ってなるんですけど、つまり、この式は
かなり大ざっぱってことですよね。
 ・私  ・・・ ああ、それは言い過ぎ。カッシーニに失礼だね。あ
のね、研究はその時代の優秀な研究者が改良に改良を重ねた最
新の機器を使って行われているので、大ざっぱという
ことはあり得ない。いいかな、結果とはね、
その時代の科学者が真理を求めて
一生懸命研究した成果な
んだ。
 ・少年 ・・・ ちゅうことは、その時代にとっては最大の成果って
ことすよね。
 ・私  ・・・ この続きは、レーマーの研究も交えてもう少し議論
しよう。いいですか?
 ・少年 ・・・ はい。とてもおもしろいです。

●●●●●今日も1日感謝の心で●●●●●

基本情報

事業所名
科学啓蒙作家の塾「田井塾」
ふりがな
かがくけいもうさっかのじゅく・たいじゅく・
代表者名
田井正博
ふりがな
たいまさひろ
営業時間
14:00~21:30
定休日
日曜日
電話番号
03-3671-1002
Webサイト
問い合わせ
所在地
〒133-0051
江戸川区北小岩3丁目25-19
アクセス
 京成江戸川駅前通りを蔵前橋通りに向かって徒歩1分

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