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「田井塾」心の泉:追悼文「有馬朗人先生」2020年12月28日

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 この世に存する限り、人は人としてプロである。人は勉強を手段に己の心に「泉」を見出し、いつしかそこに美が映えるを知る。これをして彼方に「像」を予感し、それを求めて今を生きる。-田井-

・・・・・ 序 奏 ・・・・・

 ●-レクィエム ニ短調K.626-●
 ・・・ W.A.MOZART ・・・

 ☆ヘルムート・リリング指揮☆
 ☆シュトゥットガルト・バッハ管弦楽団&合唱団☆

・・・・・「田井塾」心の泉:追悼文「有馬朗人先生」・・・・・

 有馬先生、先生の訃報に接し、私はこの「えどがわ産業ナビ」の場をお借りして、何としても先生に感謝の気持ちを申し上げねばならないと思いました。ぜひお認めいただきたく、よろしくお願い申し上げます。
 もう時はすでに30年も経とうとしています。当時私は旧ソ連の第一級の理論物理学者でアメリカのプリンストン高級研究所で研究していたア・ベ・ミグダル先生の本を集中的に翻訳していました。 ある日、ミグダル夫人のタチアナさんから、先生がプリンストンで亡くなられたので、これからは、必要な本はミグダルの友人の有馬先生に預けてあるので、そちらに連絡して欲しいとのお手紙をいただきました。私は手紙を読みながら、タチアナさんのお言葉の中に不可思議な必然性を予感し、それ以来これを「ミグダル先生の心」として大切に大切に保存させていただいております。
 有馬先生はその頃は東京大学総長という大役を果され、理化学研究所の理事長としてご活躍されていらっしゃいました。とてもお忙しくていらっしゃったので、雑用で研究を中断されることを恐れ、ご自宅にお電話を申し上げました。それでもお忙しくっていらっしゃって、しかし、先生を補佐するように、かならず奥様が出て応対してくださいました。
 先生からお預かりしたミグダル先生の『真理の探究』は1年ほどで翻訳を終えてしまうほど、とてもおもしろいものでした。この本は『理系のための知的好奇心』として東京図書から出版されましたが、この時も奥様に電話で「恐れ入りますが、ご贈呈申し上げたその本を先生の一番目の届くところに置いていただけますでしょうか」とお願いしました。奥様は「そうですね。大丈夫です」とおっしゃって、笑みが声の響きとなってこぼれるのでした。
 「ああ、神よ!」何と言うことでしょう、先生の推薦により、新聞の書評欄に『理系のための知的好奇心』と大きな活字となって採り上げられているではありませんか。また、このお蔭で、多くの大学の先生方が科学雑誌等に書評をお書きくださり、また複数の大学の入試問題にまで採用される栄誉に預かりました。
 ミグダル先生の本を一通り翻訳し終えた段階で、私は彼の執筆スタイルをお手本に『時間論』を書くための準備として、それから15年間資料整理に没頭しました。このため体調を崩したりしましたが、おかげ様でこれを『時間の不思議』としてまとめて世に送り出すことができました。そして、それからまた15年経った現在ロシアで出版された『空間論』の本の下訳の作業を行っています。
 これらの活動が精神的エネルギー源となって、先生が武蔵中学、高等学校で学園長として有能な人材の育成に力を注いでいらっしゃるように、私も先生にいただいたご支援に報いるべく、現在江戸川区のお子さんたちの学習支援をさせていただいております。
 先生、これまでお力添えをくださいまして本当にありがとうございました。先生の温厚な微笑みをお手本に、これからは多くのお子さんたちにその笑みを注がせていただきます。
 本当にお世話になりました。心からご冥福をお祈り申し上げます。時々、ミグダル先生とご一緒に様子伺いに夢の中にお出でいただけましたら幸いです。合掌
     令和2年12月7日    科学啓蒙作家 田井正博
      
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