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かぶしきがいしゃおりいでんそう株式会社折井電装

Interview No.10

あらゆる金属小物塗装に対応 時代のニーズに応えつつ謙虚に堅実に半世紀

取材日:2018年3月6日

会社概要

折井電装 松江工場外観

 昭和36年に江戸川区南小岩で創業。平成12年に法人化し、平成28年には創業55周年を迎えた。
 電子精密機器、文具用品、服飾用品等に使用されるネジやボルト、その他部品パーツの塗装加工を主な業務としている。塗料は、RoHS 指令(特定有害物質を厳しく制限する規制)をクリアしたものを使用し、人体や環境への影響に配慮した製品を提供している。

 創業当時は、金属の錆び防止など、機能面を重視した塗装を行ってきた。しかし、時代と共に樹脂製品が普及してきたため、現在では、樹脂素材と合わせて使っても金属素材が目立たないようにする塗装を行っている。また最近では、樹脂素材自体への塗装についても研究を重ねている。
 企業理念は、「まじめに、とことん。いい会社を作りましょう。」その実現のため、安全・安心・高品質の製品を提供し、迅速かつ丁寧な対応でお客様の信頼を得ること、活気と笑顔とチームワーク、そして思いやりの気持ちを持つこと、日々の業務の創意工夫に努めることを大事にしている。

社長さん紹介

社長さん紹介 代表取締役社長 折井 政仁

 平成元年、創業者である父より事業を継承。
 「町工場の社長というと頑固なイメージがありそうですが、私の父は非常に柔軟で、客観的に物事を捉える方でした。事業承継についても、経営状況が良く、引き継ぐのに最適な時に会社を私に譲ってくれました」と、父である先代社長への敬意を謙虚に語ってくださいました。

 また、社長と従業員が気さくにコミュニケーションを取り合う和気あいあいとした雰囲気からは、社長の温厚な人柄がうかがえました。

自社の強みは何ですか?
ネジサンプル
留め具

 半世紀以上金属部品を塗装していく中で、塗料の素材によって異なる性質や、塗装する素材、部分に応じて最適な塗料を選ぶノウハウ、天候や湿度などの気候条件による質感の誤差の計算方法を培ってきました。そのため、お客様の要望に正確に応じることができ、また幅広いニーズにも対応することができます。
 また、塗装は、製品の製造段階の終盤に行われる作業です。そのため、急な受注も多いのですが、弊社はレスポンス良く短納期で対応しているため、そのこともお取引先からの信頼に繋がっていると思います。
 
 お取引先としては、電子精密機器メーカーが多いです。特に、一眼レフカメラやコンパクトデジカメなど、デジタルカメラに使用されているネジの多くは弊社で塗装を請け負わせて頂いています。カメラの外側部分に使用されているネジはもちろん、カメラ内部の反射板やレンズの付近といった精密で誤差の許されない箇所のネジも、弊社で塗装したネジを使用して頂いています。
 デジタルカメラ以外にも、バインダーに使用されるカシメなどの文房具や生活雑貨のメーカーやバッグなどに使われる金具のメーカーともお取引することが多々あります。

塗装する時に大変な点はどのようなところですか?

 品質の安定性、均一性を保つことが一番大変です。塗装は従業員のスキルや性格、塗料の具合などで若干見た目が変わってくることがあります。そこで弊社は、塗料の配合やどの角度からどれくらいの回数を吹きつけるかをあらかじめ決め、せっかちな人にはゆっくり確実な塗装を、逆にゆっくり塗装している人にはスピーディに作業を進めていくなど一人ひとり的確に現場で指導し、品質の安定性や均一性を保っています。
 色味の違いについては、例えば白色でもアイボリーやクリーム色に近い白色など、人によって全く違う色味を思い浮かべるため、お取引先とは綿密にお打ち合わせをさせて頂きます。

スプレーガン&カップ 写真

塗料を吹きつける「スプレーガン&カップ」。
使う塗料によって使い分ける。

塗装用プレート

ネジの頭を塗装するために使うプレート。
これ一枚で1600個ものネジを一度に塗装可能。

プロの技

 基本的に、温度や湿度の影響を受けづらいタイプの塗料を使用していますが、それでも梅雨や真冬などの極端な季節や、朝と夕方など時間帯が違うだけでも質感が変化することがあります。そのため、刻一刻と変化する状況に合わせて微妙に塗料の配合を調整し、高い品質を維持できるようにしています。
 また、塗装の経験が少ない従業員には、まずは比較的簡単な部品を塗装させて、先輩たちがフィードバックしながら経験を積んでもらっています。
 環境にも配慮し、塗装スペースでは塗料を吹きつける際に発生するミストを逃すためにダクトを設置したり、余分な塗料が飛び散りすぎないように工夫をしたりと様々な対策を施しています。

部品の塗装工程
社内の様子
社員達

 社内では「今やっていることが当たり前と思わないでほしい」と指導しています。若手の従業員も業務効率などについて気軽に発言でき、塗装工程・設備の改善や効率の良い方法、新しい技術や道具を研究・開発することを奨励しています。

 また、毎日朝礼を行い、従業員ごとに身の回りで起きた出来事などを話す時間を設けています。それが従業員同士のコミュニケーション、業務でのチームワークに繋がっています。
 その他にも、子どもの学校行事などに積極的に参加することを勧めています。色々な考えがあると思いますが、昔からあるような「休日でも出勤するのが当然」という風潮は疑問視していましたし、「仕事で子供の運動会に参加できない」というのはとても悲しいことだと思うので、そういう時は全員でフォローするようにしています。

江戸川区発の純国産アーチェリー開発プロジェクト「プロジェクト桜」に参加されていらっしゃいますね。

 このプロジェクトは、江戸川区が実施する「Made in Edogawaものづくり推進プロジェクト」のもと、株式会社西川精機製作所により企画されたプロジェクトです。数年前までは国産のアーチェリーを製造しているメーカーがありましたが、現在は撤退してしまい、韓国製やアメリカ製のものに頼らざるを得ない状況にあります。そこで、「日本人の体形やスタイルに最も合う純国産アーチェリーを江戸川区から復活させよう」というプロジェクトが発足しました。弊社もその一メンバーとしてこのプロジェクトに参加し、アーチェリーの本体部分であるアルミ部分の塗装を担当することになりました。
 株式会社西川精機製作所の社長をはじめ、参画しているのは皆江戸川区内の企業で、本プロジェクトを通じて様々な方とご縁を深めることも出来ました。

プロジェクト桜 プロジェクト桜
今後の展開についてお聞かせください。
折井社長

 従業員がより安心して働いていける職場づくりをしていきたいです。
 「安心して仕事が出来ると良いものを作ることができる」というのが私の考えで、やはり会社は従業員あってのものだと思います。また、従業員がおかしいと思っていることは改善され、やりたいと思っていることは実行できるような風通しの良い職場環境づくりをさらに目指していきます。
 「創業」という、0を1にすることを成し遂げた父の功績に負けないよう、100年企業を目指して励んでいきます。

株式会社折井電装の皆さま
「えどがわ産業ナビ」インタビューにご協力頂き、本当にありがとうございました。

インフォメーション

折井電装看板
<本社>

所在地
〒133-0056
東京都江戸川区南小岩5丁目6番14号 Google MAP
最寄り駅
■JR総武線 小岩駅南口より徒歩11分
電話番号
03-3657-7940(代表)
FAX番号
03-3657-7985
<松江工場>

所在地
〒132-0025
東京都江戸川区松江4丁目2番9号 Google MAP
最寄り駅
■都営新宿線 船堀駅北口より
都営バス[新小21]新小岩駅前行「東小松川小学校前」下車
徒歩2分
電話番号
03-5879-5751(代表)
FAX番号
03-5879-5355
ホームページ
http://www.oriidenso.co.jp/

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