ストレスフルな中間管理職
最終更新日:2024年01月15日
こんや鍼灸治療室
(平井1丁目)
今年は1月4日から治療室を営業しているのですが仕事始めの前なのにぐったり疲れた患者さんが何人か来院しました。
これが1週間前の治療の場合だったら「年末まで頑張ってお疲れ様でした」と言えるのですが。
正月休みが終わるころになってから体の不調を訴えて、仕事始めを考えると溜息が出るとか身体全体が重いんですなどという訴えなのです。
少し長くなりますが、以下は橘玲の著書からの抜粋です。
『2019年、東京大学の国際共同研究が、日本と韓国および欧州8か国の35~64歳の男性労働者を「上級熟練労働者(管理職・専門職)」「下級熟練労働者(事務・サービスなど)」「非熟練労働者(工場や運輸など肉体労働系)」「農業従事者(林業・漁業を含む)」「自営業者」に分けて、心疾患などでの死亡率を比較した結果を発表した。
それによると、欧州では(ステイタスの低い)「肉体労働系」の死亡率が最も高く、(ステイタスの高い)「管理職・専門職」の死亡率が最も低かった。これはマーモットの先行研究とも一致する。ところが日本と韓国は逆に、「管理職・専門職」の死亡率が「農業従事者」に次いで高く、「肉体労働系」や「事務・サービスなど」を上回るという奇妙な結果になった。
この研究を主導した小林廉毅東大教授は、メディアの取材に「あくまで推測ですが、バブル崩壊後の日本では、リストラによる人減らしや長時間労働の負担が管理職や専門職に集中したのだと思われます。そのストレスが非常に強く、大きなダメージになったのでしょう」と答えている。
ここからわかるのは、欧米と違って、日本の中間管理職はステイタスが高いのではなく、逆に下がるらしいことだ。人口減で国内市場が縮小し、売上も利益も落ちていくなかで、組織をまとめ業務を回していく責任は中間管理職の肩に重くのしかかっている。
日本的雇用慣行では、正社員と非正規社員のあいだには明示的な「身分格差」があり、会社は「正社員の共同体」で「社員はみな平等」とされている。そんななか、ステイタスを誇示するような管理職は若手から嫌われ、やっていけなくなるということもあるだろう。上にも下にも気をつかわなければならないのなら、ストレスで健康を害したとしても不思議はない。
その結果、日本では「下級熟練労働者」つまり平社員の死亡率が、管理職・専門職の約7割で、もっとも低くなっている。日本では近年、管理職になりたがらない若手が増えているとされるが、このデータからは、日本企業ではこれが合理的選択だということになる。』(P139~141)
参照:『世界はなぜ地獄になるのか』 橘玲著 小学館新書
つまり近年の日本では若手よりも中間管理職といわれる30歳代後半~50歳辺りの層の精神的負担が多いのではないかということを示唆しているのです。
当院の年初の患者層もまさしくこの辺の世代の患者さんでした。
成人の日が1月15日から第2月曜へ変更した当時は違和感しかありませんでしたが、年末年始で疲れているサラリーマン、働くお母さんが体調を整えるための連休だと考えれば価値がある三連休かもしれないと考えを改めたのでした。
基本情報
- 事業所名
- こんや鍼灸治療室
- ふりがな
- こんや はりきゅう いん
- 代表者名
- 鍼灸師 近谷 “ハリオ” 良平
- ふりがな
- こんや りょうへい
- 営業時間
-
月、火、水、金、土曜日 9:00~18:00
日曜日 午前のみ
祝祭日 午後のみ(12:00~18:00)
予約は1時間前までにお願いいたします - 定休日
-
木曜日
- 電話番号
- 03-3636-0050
- Webサイト
- https://s-thoughts.com/
- 問い合わせ
- 所在地
- 〒132-0035
江戸川区平井1丁目4−19 - アクセス
-
平井駅から京葉道路方向へ徒歩11分
小松川三丁目バス停からは徒歩3分(京葉道路から平井駅方向にバス通り右側を約150m) 歩行者専用横断歩道(信号)そば
☆日曜午後は船堀駅から徒歩5分(予約時にお問い合わせください)
SNSでシェアする