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科学啓蒙作家の塾「田井塾」

「田井塾」:江戸川のほとりにて-時空間論73-2021年06月13日

「田井塾」:江戸川のほとりにて-時空間論73- 関連画像1
・・・・・・・・・・・・「田井塾」:江戸川のほとりにて-「時空間論」-・・・・・・・・・・・・

・・・・・序奏・・・・・

●ドビュッシー・・・・・「夢」

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 ※田井塾はおかげ様で令和3年5月で創立50周年を迎えます。これを契機として2005年に発表した時間論『時間の不思議』(東京図書)に続いて現在ロシアで発表されたアインシュタインの「一般相対性理論」の流れを汲む「時空間論」を翻訳しています。内容的にひじょうに貴重な本書の翻訳活動を将来的には江戸川区の文化活動の一環として申請し、そして江戸川区民の皆さまをはじめ、多くの皆さまの精神的な豊かさに貢献できますよう心から願っております。しばらくの間、この場にて試訳を公開させていただき、皆さまにご意見を伺わせていただく次第です。なお、内容に矛盾がありましたら、訂正までお待ちください。

 ●● 江戸川のほとりにて「時空間論」-その73-●●
 話は続きます。
 もう一度繰り返しますが、ラグランジュ密度r(-)[1]ℊの関数を変分するとゼロになることがあります。次の計算を見てください。
 δ(r(-)[ik]r(-)<ik>ℊ)=δ(r(-)[ik])r(-)[ik]ℊ+r(-)[ik]δ(r(-)<ik>ℊ).
 この式の右辺は明らかに、r(-)[ik]=0の時にゼロになります。これから、r(-)[ik]とr(-)<ik>の両立性の問題が発生しないことが分かります。またリッチ・テンソルの第2の計量スカラーの定常条件を補足的に調べる必要がないことも。古典的計量を構築する問題はすでに解決しています。これとまったく同じことは前回紹介した5番目の密度τ(-)=(det∥r(-)[ik]∥)<1/2>に関しても言えます。
 ここで定常作用の原理が領域の関数として、また軌道の関数として作用に応用されることを確認しましょう。前者の場合、スケールの性質、つまり領域内の接続だけが変化しています。正にこの領域に特異性として領域の固有作用量を作り出す古典的粒子が存在しているのです。と書きましたが、これはそれほど重要ではありません。古典的粒子が持っている軌道はここでは重要でないのです。
 ここで必要なことは特異性のないいたる所で、接続係数(ポテンシャル)とその導関数(被積分関数のラグランジュ導関数)だけで形成されたテンソル密度が等式としてゼロに等しいことです。もし接続(ここでは古典的計量)と一致する補足的構造の存在が必要でないなら、この等式は恒等的なものとなります。またもしこの補足的構造が存在しなければならない場合は、この等式は構造と接続(この接続は与えられた階層によって制限が加えられている)を共に決定する方程式となります。
 古典的計量によって古典的座標系が具体化される場合、作用量密度のラグランジュ導関数は計量に関する密度の導関数となり、したがって、エネルギー・運動量テンソル密度と呼ばれています。この密度は粒子の軌道にのみ集中しているエネルギー・運動量ベクトルの分布に付加する時に領域の分布として発生します。エネルギー・運動量テンソル密度の計量でトレースの領域を積分する場合は、定義に従って、この領域に含まれている古典的粒子の軌道に関する積分の総和にならなければなりません。
 事象はすべて軌道でのみ発生します。この結果の1つとして、軌道以外のいたる所の計量でエネルギー・運動量テンソルのトレースが消滅しなければなりません。接続と古典的計量とが完全に一致している場合(クリストッフェル接続、純粋な重力の場合)、この要求はひじょうに強く、結果として、計量のトレースだけでなく、エネルギー・運動量テンソルそのものが粒子に関係なく消滅してしまいます。このような重力場が特異点を持っているのです。
 次に、後者の定常作用の原理が軌道の関数として作用に応用される場合を考察しましょう。この場合、軌道の始点と終点だけが固定されているので、接続係数だけでなく軌道それ自体も変化します。軌道における次の条件、すなわち、軌道が測地線的であること、軌道のパラメーターとして変化するスカラーが標準的であることはその結果です。
 たとえどんな補足的な構造も存在する必要がないとしても、スケールの存在条件を別の言葉で言い換えているにすぎません。ここで私達が望むのは接続によって古典的計量が決定することであり、だから、構造と接続係数を結び付ける条件、つまり、クリストッフェルの関係が補足的に得られるのです。
 明らかに、この関係式は接続(スケール)の階層を制限する方程式となっています。実は、この階層によって与えられた性質を持つ古典的計量を構築することが出来ます。それから、考察している接続の階層の制限は許容される測定法の制限に他ならないということを強調しなければなりません。したがって、古典的計量を一貫して使用できるのは制限された測定法群においてのみなのです(なお、許容される変換座標群、それから、古典的計量と接続に対して明快な形の解となるように組み立てられた最初のモデルが制限に加わっています)。
 一般的に言うと、もっとも一般的な形の接続を使って努力して研究しても、任意のアフィン接続の時空間を私達が実在世界のモデルと見なしていることにはなりません。それどころか、私達の目的は、接続の階層を明らかにすること、つまり、実在世界を記述するために使われる測定法と許容される座標変換群を究明することです。言い換えると、私達の目的は、実在世界のモデルを構築するために必要な測定単位として使うことの出来る実在世界の対象の性質を解明することです。
 このようにして、私達は許容される(考察される)接続の出来るだけ広範囲の階層に制限を加えたり、あるいは反対に、物理学的対象の性質として明らかになった関係を押し広げたりすることによって、研究を進めているわけです。
 さて、私達はこれまで古典物理学の用語で質量の大きな物体の重力的相互作用として記述される接続を使って、古典的スケールの接続部分や不定性の部分(場合によっては、可変性の部分)を明らかにしてきました。別の物理学的相互作用の存在は、この接続の階層(古典的スケールの性質)がひじょうに狭く、拡大しなければならないことを示しています。次にこの問題を考えましょう。
 これまでの考察から明らかなように、古典的計量は座標系の役割をしていて、局所的領域全体に実在スケールと一緒に拡がっています。これは定義に従って、領域全体で正則的なテンソル場となっています。このテンソル場は、はっきりした意味で、与えられた領域の外部の実在世界を表しています。ここで外部とは個々に採用されている局所化されたスケールを持つそれぞれの実在世界に対する外側を意味しています。局所的スケールの軌道における特異性はこのテンソルに影響を及ぼしません。すべての局所的スケールは軌道が測地線的になっているテスト粒子として振る舞っているのです。
 話は続きます。
 
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