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科学啓蒙作家の塾「田井塾」

「田井塾」:創立50周年企画・試訳「空間論25」2020年08月10日

「田井塾」:創立50周年企画・試訳「空間論25」 関連画像1
・・・・・・・・・・・・「田井塾」:創立50周年企画・試訳「空間論」への招待・・・・・・・・・・・・

・・・・・序奏・・・・・

●ドビュッシー・・・・・「夢」

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 ※田井塾はおかげ様で令和3年5月で創立50周年を迎えます。これを契機として2005年に発表した時間論『時間の不思議』(東京図書)に続いて「空間論」を発表する計画を立てていました。しかし、能力的な限界により資料整理がなかなか進まず、そのため、ロシアで発表された「空間論」を翻訳する活動に切り換えさせていただきました。関心のあります方を求めて、その下訳をまずここで発表し、緊張感を高めてまいりたいと思います。なお、この活動は塾での指導の合間を見て行っているため、かなりゆっくりしたペースになっています。また、内容に矛盾がありましたら、訂正までお待ちください。

 ●● 試訳としての「空間論」への招待-その25- ●●

 さて、接続と無限小変位によって発生するスカラーの中で、(原則として軌道上で標準スカラー・パラメーターの微分として利用できるところの)ねじれを取り除いた後に残っている唯一のものは、次の汎関数(一般関数)です。すなわち、
 δs(-)<2>=R(-)[ik]dx<i>dx<k>=r(-)[ik]dx<i>dx<k>.
 ただし、たとえば、R(-)<i>[k]とした場合、(-)は-がRの上にあること、<i>はiがRの上付きであること、[k]はkがRの下付きであることを意味しています。
 ここで、今問題にしているスカラーは無限小変位を2乗したものであり、また無限小区間(スカラー・パラメーターの微分)は線形でなければなりません。このため、δs(-)<2>をスカラー・パラメーターの微分として利用するためにはまずはじめにその平方根を求めねばなりません。
 実を言うと、私たちは上の不変式に対して相応の記号を導入し、また、接続を(問題とする対象とのみ結ばれている)主要成分と外部成分に分けることによって、上に示したスカラーを次のような2つの類似したスカラーの不変的総和の形で表すことができます。すなわち、
 δs(-)<2>=(N(-)[ik]+Φ(-)[ik])dx<i>dx<k>.
 ただし、N(-)[ik]は接続の主要成分テンソルと外部接続にのみ依存していますが、接続の導関数には依存していません。テンソルΦ(-)[ik]は外部場によって構成され、この場のリッチテンソルをなしています。
 スケールの1つとして問題とする対象を使った方法で測定する場合(ここでは座標線の1つが対象の軌道となっていて、外部接続はこの軌道でゼロに収束している)、テンソルN(-)[ik]は接続の主要成分によってのみ表され、(軌道に標準パラメーターsを使う場合)このテンソルは軌道に沿っては変化しません。これはN(-)[ik]が軌道に対して共変的に一定であることを意味しています。したがって、
 δs(-)<2>/ds<2>=(N(-)[ik]dx<i>dx<k>)/(ds・ds)=const≡S(-)<2>.
 ここで、平方根を求め積分すると、
 s(-)=S(-)・s+s(-)(0).
 同様にすると、スカラーは次式で与えられます。すなわち、
 s(-)=∫{N(-)[ik](dx<i>/dt)(dx<k>/dt)}<1/2>dt.
ただし、積分は軌道に沿って行われ、S≠0の時は標準パラメーターをなしています。なお、定数S[0]が絶対値が同じで符号が±からなる2つの定数S(-)を持っていますので注意してください。
 テンソルΦ(-)[ik]は軌道に沿って一定である場合も、そうでない場合もあります。したがって、このテンソルをベースに組み立てられたスカラー・パラメーターは標準的であることもありますが、しかし、一般的にはそうとは言えません。このため、今問題にしている対象の標準パラメーターは実在世界が非理想的に記述されている点でより一般的なスカラー構造と区別されています。一方、実在世界の対象を古典的に記述する場合はどうでしょう。私たちは対象が限りなく理想に近いことを期待していますので、r(-)[ik]をN(-)[ik]とΦ(-)[ik]に分けることは難しい、もっと言うと、そうすることはまず不可能だとさえ考えています。
 実は、測地線上でスカラー・パラメーターが標準的であることは、測定法の選択には左右されませんが、しかし、軌道そのものには依存しています。つまり、軌道上にあって軌道と平行に移動している測定単位と線形関係にあるスカラー・パラメーターこそが標準的と言えるのです。
 このような理想的な場合、与えられた地点には限りなく多くのさまざまなスケールがあって、その1つ1つが標準パラメーター群と結ばれています。すべてのスケールとスカラーが同等の関係にあるのです。
 それでは、同等でない場合はどうでしょう。与えられた軌道の中からあるスケールが分離し、それと共に一定の関係にあるスカラー、つまり、標準パラメーター(もちろん、その群も)も分離し、これによって理想からのずれが生じ、その結果、軌道に存在している対象同士が互いに排除し合う現象が発生することになるのです。
 ここで注意していただきたいケースがあります。それは、それぞれの測地線の軌道が完備スカラーδs(-)<2>によって導かれた特定の自然なパラメーターと明らかに繋がっている場合です。これらのパラメーターと線形的に結ばれている測定単位が、理想的であるにも関わらず、多くのパラメーターから分離している場合があるのです。なぜでしょう。
 実は、「もつれ」現象が潜在的に発生している可能性があります。この自然な(完備な)パラメーターと対象が存在する軌道上での標準パラメーターを同一視したために、軌道が測地線でなくなってしまった可能性があるのです。スケールとしての対象とδs(-)<2>と関連する測定単位とが間違って同じものと判断されたことが原因です。
 「空間論21」で対象が存在する軌道は測地線をなし、次の式で表されると話しました。確認しましょう。
 (D/ds)(dx<i>/ds)=0.
 方程式がこのような簡単な形をしているのは、この対象と標準スカラー・パラメーターとが一致しているからでした。スケールとしての対象と一致しないスカラー・パラメーターを使って軌道を記述した場合、上記の式の右辺はゼロに収束しません。
 お気付きかも知れませんが、この式の右辺は(パラメーターを選択することによって決定されるところの)対象に作用する「力」を表しています。この方程式は軌道上における別の(非線形な関係にある)スケールに対して、たとえそれが軌道上にあると仮定しても、直接応用することはできません。強調しましょう。スケールは不変的存在ではないのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・●●●●●今日も1日感謝の心で●●●●●・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 
 
 
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