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科学啓蒙作家の塾「田井塾」

「田井塾」:江戸川のほとりにて-時空間論118-2022年01月29日

「田井塾」:江戸川のほとりにて-時空間論118- 関連画像1
・・・・・・・・・・・・「田井塾」:江戸川のほとりにて-「時空間論」-・・・・・・・・・・・・

・・・・・序奏・・・・・
●ドビュッシー・・・・・「夢」
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 ※田井塾はおかげ様で令和3年5月で創立50周年を迎えます。これを契機として2005年に発表した時間論『時間の不思議』(東京図書)に続いて現在ロシアで発表されたアインシュタインの「一般相対性理論」の流れを汲む「時空間論」を翻訳しています。内容的にひじょうに貴重な本書の翻訳活動を将来的には江戸川区の文化活動の一環として申請し、そして江戸川区民の皆さまをはじめ、多くの皆さまの精神的な豊かさに貢献できますよう心から願っております。しばらくの間、この場にて試訳を公開させていただき、皆さまにご意見を伺わせていただく次第です。

 ●● 江戸川のほとりにて「時空間論」-その118-●●
 話は続きます。
 確率の流れ(カレント)は定義にしたがって時空間中で反変ベクトルとしてローレンツ変換L<i'>[i]するさいに変換されねばならないので、私達はそれぞれの具体的なローレンツ変換に対応した状態ベクトルの変換、つまり、状態空間中におけるディラックのɤ行列に対する変換と似た変換を見つけ出さねばなりません。すべての行列に対して一様に作用しながら、しかし、それぞれのɤ行列に対して個々に作用するような変換です。だから、4つの行列に同時に作用した結果は4次元ベクトルの回転のように見えるのです。
 これは明らかなことですが、状態空間中におけるすべてのローレンツ群に対してはある種のローレンツ群表示の変換群が対応しています(ただし、唯一ではありません)。つまり、私達は次の関係式が成り立つ行列U[(i'i)]を求めねばなりません。すなわち、
 J<i'>=Ψ'(-)(x)ɤ<i'>Ψ'(x)
  =Ψ(-)(x)U<-1>[(i'i)]ɤ<i'>U[(i'i)]Ψ(x)
  =Ψ(-)(x)L<i'>[i]ɤ<i>Ψ(x)
  =L<i'>[i]J<i>.
 なお、行列U[(i'i)]のはっきりした形は、ローレンツ群表示についてこれから詳細に議論するさいに導出したいと思います。
 さて、ここでの重要なテーマ、つまり与えられた領域に実在粒子が存在する可能性によって発生する作用量密度の型についての議論に戻りたいと思います。私達はすでに、時空間の考察領域に、たとえここに実在粒子の軌道が存在しないとしても、ここでのこの粒子の確率的な作用量を式で表わすと、次のようになることを知っています。すなわち、
 s=∫Ψ(-)(x)∇[i]ɤ<i>Ψ(x)d<4>x.・・・(1)
 ただし、ここでは状態空間に対するすべての内的添字に関してたたみ込みが行われています。時空間の与えられた領域の完備ラグランジュ密度はファイバー空間の接続場の密度、すなわち、
 ℒ[f]=(1/4)ℱℊ
と与えられた領域に存在し得る全粒子の密度を表わす上記(1)式の和で表され、次のようになります。
 s=∫(Ψ(-)∇[i]ɤ<i>Ψ+(1/4)ℱℊ)d<4>x.・・・(2)
 ここでの与えられた領域に対して粒子の定常作用原理を適用出来るようにするためには、領域に出現する可能性のあるそれぞれの実在粒子の次の形の式の密度を上記式から引かねばなりません。
 s=∫m[0]Ψ(-)(x)Ψ(x)d<4>x=∫m[0]Ψ(-)(ℓ)Ψ(ℓ)dℓ.
 こうして次の式が与えられます。すなわち、
 s=∫(Ψ(-)∇[i]ɤ<i>Ψ-m[0]Ψ(-)Ψ+(1/4)ℱℊ)d<4>x.・・・(3)
 ここでパラメーターm[0]はΨ(-)Ψに実在粒子に対応する状態ベクトルが入っている時のこの具体的な粒子の静止質量であることを示す一般的な記号です。このパラメーターは作用量に対してはつねにゼロ次の値になっています。
 完備ラグランジアンを変分すると、私達は任意の実在粒子を記述する状態ベクトルのファイバー空間における方程式も、またファイバー空間においてこれらの状態ベクトルと接続を結び付ける方程式も手にすることが出来ます。この計算はとても簡単です。なぜなら、変分を要する3つの組、つまり、始状態のベクトルΨ、終状態のベクトルΨ(-)、それから共変微分の中に入っている接続Ą[i]はこの観点からすると完全に独立しているからで、結果として、私達には次の3つの方程式が与えられます。
 まず、ベクトルΨ(-)を変分するさいに作用量が定常であるためには、領域の境界において任意の値δΨ(-)が消滅しなければならず、このため、次の関係式が成り立っています。すなわち、
 δs=∫δΨ(-)(∇[i]ɤ<i>Ψ-m[0]Ψ)d<4>x=0.
 この式から、まず次の方程式が与えられます。
 ∇[i]ɤ<i>Ψ-m[0]Ψ=0.・・・(4)
 この式の要請の下でΨを変分すると、次の関係式が導かれます。
 δs=∫(Ψ(-)∇[i]ɤ<i>δΨ-m[0]Ψ(-)δΨ)d<4>x
   =∫(Ψ(-)ɤ<i>∂[i]δΨ+Ψ(-)Ą[i]ɤ<i>δΨ-m[0]Ψ(-)δΨ)d<4>x=0.
 ここで、∂[i](Ψ(-)ɤ<i>δΨ)=∂[i]Ψ(-)ɤ<i>δΨ+Ψ(-)ɤ<i>∂[i]δΨの関係式が成り立つことに注意しましょう。この式の左辺にある発散を領域の体積で積分した値はこの領域の境界でΨ(-)ɤ<i>δΨを積分した値に等しく、しかも変分δΨに対する条件にしたがってゼロに収束します。したがって、次の式が与えられます。
 ∫(Ψ(-)ɤ<i>∂[i]δΨ)d<4>x=-∫(∂[i]Ψ(-)ɤ<i>δΨ)d<4>x.
 したがって、上に与えられた式は次のように書き換えられます。
 δs=∫(-∂[i]Ψ(-)ɤ<i>+Ψ(-)Ą[i]ɤ<i>-m[0]Ψ(-))δΨd<4>x=0.
 この関係式は次の方程式が成り立つときに成り立っています。すなわち、
 ∇(-)[i]Ψ(-)ɤ<i>+m[0]Ψ(-)=0.・・・(5)
 ただし、符号に関して共役な接続を持つファイバー空間における共変微分として記号∇(-)[i]=∂[i]-Ą[i]を導入しました。
 それでは最後の3番目の方程式を求めたいと思います。Ą[j]を変分すると、曲率テンソルの発散と実在粒子の確率の流れの平均値との間に次のような関係式が成り立つこと分かります(計算はすでに「時空間論-その112,113,114-」で行っていますので省略しました)。すなわち、
 ∇[k]ℱ<ki>=J<i>=Ψ(-)ɤ<i>Ψ.・・・(6)
 本質的に言って、この式の最後の項は、古典的近似の場合と同様、実在粒子の流れの平均値を表わしています。
 ここで重要なのは、式(2),(3)のように式をラグランジアン化するさいに状態ベクトルの内的添字がたたみ込みされねばならないとしても、上に与えられた方程式(4),(5),(6)はそのようになっていないので、・・・
 話は続きます。
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・●●●●●今日も1日感謝の心で●●●●●・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
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