金属の塑性加工技術を「チーム」の力で革新する
株式会社 児玉機械製作所
住所:〒132-0021 東京都江戸川区中央4-16-4
電話:03-3652-8261
URL:http://www.kodama-kikai.co.jp/
産業ナビリンク:http://edogawanavi.jp/shop/601606/
- 多岐にわたる加工技術を取り入れた製品群
- 「民間研究所」と呼ばれる高い技術力
- 「できない」という文字はない「チームコダマ」の真髄
【事業内容】 多岐にわたる加工技術を取り入れた製品群
金属の塑性加工技術を中心とした、産業用機械設備メーカーである。最近では、特に自動車部品の量産設備の開発・設計・製作・販売・メンテナンス業務を中心に活躍場を拡大している。加工技術は、拡管・縮管加工、スピニング加工、巻締め加工、二重巻加工、カシメ加工、チャンパークリンプ加工等多岐にわたる。
【自社の誇り】 「民間研究所」と呼ばれる高い技術力
自動車のマフラー本体製作の最終工程におけるエンドプレートの両端同時巻締工法は、今となっては世界中のどこのメーカーもごく当たり前に製品を生産しているが、この工法は同社が開発し製品化してものである。また管端閉塞加工法は特許を取得したが、この工法の活用できる市場開発には特に苦労した。しかし、苦労の甲斐があり今では自動車のサスペンションや一体成型型の支柱として、横断防止柵、転落防止柵などに利用されている。その他、数え上げたらきりがないほど、日本国内はもとより国際工業会で技術開発分野「ものづくり」に貢献しており、一部では「民間研究所」とも呼ばれている。高い技術開発力が同社の誇りである。
【「できない」といわない会社気質】 「できない」という文字はない「チームコダマ」の真髄
同業他社が淘汰されている現実がある中で、同社が今まで手掛けてきていない仕事内容を依頼されることがある。「チームコダマ」の本領を発揮する一面でもあり、できるとかできないは問題ではない。まずはやってみることが重要なのである。
【代表メッセージ】
代表取締役 児玉一良 氏
―― 製品案内に記載してあります「チームコダマ」に関してお聞かせください。
弊社の仕事はいろいろな分野に関わっています。例えば電機、メカニクス、組立、油圧等のいろいろな技術力を必要としますが、1人でこなすことは難しいことです。社内のメンバー、もしくは協力会社のメンバーの技術力を「チーム」として統合して、お客様のニーズに対応していく事が必要なのです。このことは先代の時から行ってきたことですが、あえて、その重要性から5年ほど前に「チームコダマ」の名称を付けました。会社とは私個人の物ではなく、社員皆の財産であるといい続けてきています。個人個人が誇りと自信をもっていってくれればと思います。お客様からの要望に対して、今自分では対応できなくても、「メンバー」がいるということで幅広い仕事をこなせるようになります。「チーム」のメンバーは固定である必要はなく、プロジェクト内容よって変更することも当然のことだと思っています。最近は弊社の中でも海外での仕事が増えてきましたので、得意な分野を持ちながら、オールランドプレーヤーに育てなくてはいけないし、育ってほしいと思っています。そのような人たちが増えてお互いにバックアップしながら仕事を進めていく事で、仕事の拡張が達成できますし、強いチームが完成します。これは、これから国際化の中で私が社員に要望していることです。このことで海外出張に行った社員は、「チームコダマ」のメンバーがいつでも後ろに控えているので安心して先方との交渉ができ、成果に結びついていると思っています。
―― 最近出荷した製品はどこの国向けでしょうか?また「ものづくり」に対しての御社のお考えをお聞かせください。
最近では、アメリカ、インド、タイ、インドネシア等の工場に向けて、製品を出荷しています。この製品が出荷できるもの、「チームコダマ」があればこそ可能になったことなのです。海外との取引が多くなる中で、大きな商売を得るために日本人はこんな素晴らしい製品があるから買わないかと営業をかけていますが、その結果、それを単に真似されて足元を掬われるケースをよく聞きます。海外との取引に関しては、特に慎重にことを進めています。「ものづくり」の点では、高度成長期時代に海外から、特にアメリカやヨーロッパから機器を輸入し、それをお手本に付加価値を付けてよりよいものを作りだしてきました。しかし、現在自動車産業を筆頭に現地生産をするようになってきたため、空洞化が起こっていますし、日本の「ものづくり」が希薄になってきていることも事実だと思います。「ものづくり」に直面する機会が少なくなって「ものづくり」そのものが劣化してきている点もあると思います。そんな中でも「ものづくり」の「チーム」でいたいと強く思っています。
―― 児玉社長のモットーである「良い会社にしよう!」についてお聞かせください。そしてその先にあるのはどんなことでしょうか?
今まで話したことがその根底にありますが、「継続性があること」、「継承されていくこと」、「個人ものではない」等掲げています。この内容が少しずつ会社全体に浸透していく事を考えています。ただ、大きく変わる必要があるとは思っていません。今と同じような会社であればと思います。具体的には、それぞれの海外拠点で、社員が活躍し、海外で現地法人を立ち上げるのもよいと思っています。困った時は本拠地であるここに持ってくるなり、海外に散らばっている「チームコダマ」のメンバーがヘルプをするような会社に育ってほしいと思っています。
―― 若い人たちへのメッセージをお願いします。
ものが出来上がった時の喜びや達成感を若い人たちに体験してもらいたいと思っています。「チャレンジザドリーム」で中学生が工場見学に来てくれますが、見学の最後に「将来エンジニアになってくれよ!理工系に進めよ!理系に行っても英語は必要だから英語もよく勉強しろよ!」と話しています。「ものづくり」の楽しさを少しでも味わってくれたらすそ野が広がってくれると一縷の望みを持ちながら中学生を送り出しています。