柔軟性・伸縮性・通気性を持つ驚きの布ヒーターの開発
株式会社 三機コンシス
住所:〒132-0021 東京都江戸川区中央3-19?4
電話:03-3655-2051
URL:http://www.sankiconsys.co.jp/
産業ナビリンク:http://edogawanavi.jp/shop/101525/
- 空調設備及び電子コントローラーの開発から布ヒーターの開発
- 機械・電気・電子技術の融合
- 未体験の製品を生み出す
【事業内容】 空調設備及び電子コントローラーの開発から布ヒーターの開発
同社は創業以来、空調設備及びその周辺技術の開発を行ってきた。今日では、ビル・工場用設備から住宅用設備に至るまで幅広い分野で現在活躍中である。また、新規事業として面状ヒーターと、周辺技術による電子コントローラの開発に至る。特に布ヒーターはいままでに類のない画期的な製品である。今後はグローバルな視野に立ち機械・電気・電子技術を融合し、新しい技術・アイデアを展開する。
【独自戦略】 機械・電気・電子技術の融合
機械・電気・電子技術の融合を掲げ、新事業として布ヒーターを開発する。従来であれば機械技術、電気技術、電子技術はそれぞれの分野で高度なものを要求されるが、同社の強みはそれぞれの技術を単体では考えずシステムにすることである。そんな中でヒーターそのものが布であるという一見関連性のない物が視点を変えることにより、一つの製品に繋がっていく。
【最先端技術】 未体験の製品を生み出す
布といえば利便性、伸縮性が問われ、電気ヒーターであれば、耐久性、保温性が問われる。その中で、布ヒーターは軽くて持ち運びが容易で、保温性に優れ、伸縮性があり、ヒーターそのものが実際に伸びる。電源を入れるとすぐにヒーターの暖かさを肌で感じることができ、そのうえ、バッテリー駆動が可能である点が特徴である。布そのものがヒーターなので、一般の電気毛布のような温度ムラがない。そんな夢のような布ヒーターが完成し、製品化に至っている。また、それだけに満足せず、より幅広い範囲での製品化に向けて一層の改善を進めている。思いがけない製品、今まで体験していない製品を生み出すことが同社の真髄である。
【代表メッセージ】
代表取締役 松本安正 氏、技術開発CTO 松本正秀 氏
―― 御社の今に至るまでの経緯をお聞かせください。
もともとは設備の施行を行っている会社で、事務所や工場の空調設備を主として行ってきました。その後、床暖房の設備の施行を行うようになり、それに伴いヒーターの開発に力を注ぐようになりました。その中で、熱帯魚の水槽用のヒーター開発を行い、布ヒーターの開発へと繋がっていきました。
―― ホームページにある布ヒーターの資料の中に、開発に約2年の歳月がかかったと記載されていますが、苦労話をお聞かせください。
展示会でフィルムヒーターの展示中、あるお客様から「もっと薄くて、柔らかいヒーターはないの?」という質問を受けたのを「キッカケ」にいろいろな工夫、研究を行った結果、繊維で加工した布ヒーターの開発に着手しました。それ以来、素材にこだわり、炭素繊維と織物加工を確立し、銅電極を同時製作することで、「マトリックスヒーター」を開発しました。同時に金属繊維を使用し、当社独自のニット加工法を構築し、電極を取り付け「マイルドウォーマー」の完成へと繋がりました。この電極部分が当社の技術の結晶であると自負しております。この「マイルドウォーマー」は、先端技術館@TEPIA「高機能素材」コーナーで1年間展示もさせて頂きました。2012年(平成24年)にはものづくり中小企業・小規模事業者試作開発支援に採択されました。その後、東京デザインアワード2013において2013年度(平成25年)の「テーマ」として選出されました。これからも当社はいろいろな展示会に出展いたしますので、皆様には一度手に取ってご覧頂けたらと思っております。現在は「ウェアラブル」をキーワードに、より軽い「マイルドウォーマー」やウェアラブルで使用できる伸縮電線を検討しています。
*「マトリックスヒーター」「マイルドウォーマー」に関しては
https://www.tokyo-design.ne.jp/file/pdf/2013/sanki_11.pdf
を参照願います。
―― 前述の中でいろいろな特許等へ繋がっているかと思います。その点をお聞かせください。
特許、実用新案等でいま現在20件近く知的財産を保有しております。ただ、これは初めから特許狙いで取得したものではないのです。弁理士さんからは苦労した点を教えてくださいといわれるのですが、アイデアが浮かびそれをテストしていく中で実現していったものなので、あまり苦労した覚えがないのが現実です。
―― 今後の展開に関してお聞かせください。
今、いろいろな会社から、布ヒーター等弊社の製品への問い合わせをいただき、ご意見を取り入れて開発しています。また産学連携で取り組んでいるものもございます。その中には、商品化一歩手前まできているものもあります。そして日本のみならず、韓国、台湾、中国の企業と共同開発を行うことで、お客様のニーズに応えるべく布ヒーターの応用範囲を拡大させております。これからも、海外のいろいろな会社とも連携をして、グローバルな観点から取り組んでいく予定です。
―― 若い人たちへのメッセージをお願いします。
大きな企業に就職希望することはわからないことではないですが、展示会等に出店している企業の中には会社の規模に関係なく他社ではまねのできない独自の製品を持っている企業がございます。その会社でしかできない製品を自分で作り上げていく事に興味を持っている人は会社の規模にとらわれることなく、若い人の発想を重視する会社に進んで行ってもらいたいです。