「板金加工」の原点を守り、新たな殻を破る技術力
株式会社 長島製作所
住所:〒132-0025 東京都江戸川区松江7-7-1
電話:03-3656-3600
URL:http://www.nagashima-ss.com/
産業ナビリンク:http://edogawanavi.jp/shop/601360/
- 創業から60年、精密板金加工の牽引をする
- 常に設備投資を見据えた事業展開
- ユニークなものを造るのが好き
【事業内容】 創業から60年、精密板金加工の牽引をする
精密板金加工、レーザ切断加工、レーザ溶接加工、各種溶接、組み立て等を中心とした金属加工を行っている。創業60年に及ぶ技術の蓄積が、顧客の無理難題を現実のものに変えてきた。近年最新のレーザ溶接機も導入し、より精密な加工技術を培っている。
【会社の誇り】 常に設備投資を見据えた事業展開
常に設備投資を行い、レーザ切断加工においてはバリや変色がない切断を可能にし、バリ取り工程を簡略化した。また新型レーザ溶接機を使用することで溶接部の仕上がり状況が格段と向上した。都市に密着した「ものづくり」企業として、常に、短納期を実現するため一貫作業を行い、社内の効率化を日々追求し続けている。
【「ものづくり」へのこだわり】 ユニークなものを造るのが好き
「ものづくり」が好きであること。ユニークなものを造ること。必要な機械があればいつかは導入してやるという熱意。そのこだわりは同社の建物を見れば一目瞭然である。社名看板はターレットパンチ等の機器で製作し、その横には「遊び心」満載のサッカーボールの形をした製作品が並ぶ。
【代表メッセージ】
代表取締役 長島清和 氏
―― 来年創業60年になりますが、創業の経緯をお聞かせください。
先代が当社を立ち上げた時は、機械加工という形でした。旋盤やフライス等を使って製品を仕上げていました。そこから、プレス加工やスポット溶接もするようになりました。安定した溶接技術が認められて事業を伸ばすことができました。その後、板金製品を扱い、ベンダ、シャーリングの機械を導入し、精密板金加工の基礎を築き、今日に至っています。
―― 長島社長が社長になられてからの苦労話がございましたらお聞かせください。
先代が弊社を立ち上げ、当時はいろいろ苦労してきたと思いますが、25年ほど前に引退しました。ただ、先代の引退の前から自分が中心となって会社を運営してきました。私の記憶では苦労話といわれても思い浮かばないのが本当のところです。仕事に対しては楽しんでやってきましたので苦労があったのかもしれませんが、苦労の意識がなかったのです。「ものづくり」が好きでユニークなものを作りたいといつも思って事業を続けてきました。いつもお客様からの要望に関しては、価格の問題よりその製品を造りたいのか造りたくないのかで判断してきました。せっかく弊社に声をかけて頂いたということは、言葉を返せば「チャンス」を頂いたことですので、素直にその仕事を受けてきました。40年ほど前ですが、パネルをボルト締めで組立てるパネルハウスの製作の依頼を受け、多種多様な仕様のものを造りました。その時の経験が、弊社の中に受け継がれていることを感じます。私の経験から言いますと10~15年周期ぐらいで、時代の流れに変化が来ていると思っています。その変化の前に対応策を考えてきたことが60年続く原動力になっていたのかと思っています。
―― 大型機器を随所で導入されていますが、その機器を導入する決断はどのようなタイミングでされたのでしょうか?
今まで導入した大型機械は、導入の5~10年ほど前に自分の中には即購入したいという思いがありました。当然設備投資にはそれだけの事業計画をしっかり考えておかないと大変なことになりますので、右から左へと簡単にいく事ではありません。景気の流れの中で、弊社の現状や資金を考えて導入を決定しました。長年の恋が実った瞬間です。そんなこんなでターレットパンチプレス機、レーザ切断加工機、ベンダ機を導入しました。同じ機械を導入している事業所は他にあると思います。しかし、同じ機械であるけれども、その機械に弊社の技術を加えることで独自の加工をできるようにし差別化を行ってきました。
―― 設備投資を通しての会社の現況をお聞かせください。
60年の歴史の中で、時代の流れに沿って事業を展開してくるといろいろな設備がその時その時で必要になり、設計の段階から完成品の仕上げまでを可能にする設備が整って来ました。その点が弊社の強みになっています。その結果として、短納期、低価格で製品を提供していますし、チャンスをもらったら受けることで、自然と技術力が高まり、精密板金加工の分野では、機械関連部品、車輛関連、半導体関連、建材、厨房等多岐にわたる注文を頂いております。
―― 先日実施された工場見学についてお聞かせください。
小学校から社会の授業で工場見学の希望がありました。4クラス総勢120名が2日間に渡って弊社を見学してくれました。機械ごとに社員を配置して説明をしました。日頃は、地味な作業ですが、子供たちのエネルギーをもらいながら「ものづくり」の重要さを説明する時は、自分の仕事に対する誇りを感じられたのではと思います。これからもこのような機会がありましたら実施していきたいと思います。
―― 今後の展望に関してお聞かせください。
時代の流れと共に、事業を展開してきました。そしていろいろなものを造ってきましたが、レーザ切断機の導入を考えた時に、もう一度原点の「板金加工屋」に戻ろうと考えました。勉強会での意見交換や、家族の協力のもとで会社を俯瞰することもできるようになりました。幸い、私の息子が三代目として後を継ぐべく日々精進しています。新たな風を感じながら、これからも原点にぶれることなく、かといって殻の中にとどまるのではなく、殻を破り新分野に挑戦していくつもりです。